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蘇寧グループはインテルを売却しないのか?

ハキミに続き、ルカクの売却も近いインテル。

現地のファンはオーナーの蘇寧グループに対して激しい怒りを見せているようです。

更に悪いことに、主力売却がまだ続く可能性があるとのこと。

10年耐えてせっかくセリエA優勝を果たしたのに、チーム解体とは悪い夢を見ているようです。

代表のスティーブン・チャンは、マロッタや幹部からの電話を無視。一部では、主力の売却益を全て蘇寧グループが回収した後にインテルを捨てる、という噂もあります。

 

コロナ前までは熱心に足を運び、試合を観戦していたスティーブン・チャン。

インテルへの投資も惜しまず、11年ぶりのスクデット獲得をさせてくれました。

かなり熱意のあるオーナーに見えたのですが、果たしてそんな裏切りをするのでしょうか。

 

インテル売却の噂は随分と前から出ていましたが、なぜコロナ禍の経営不振に陥っても未だにチームを持ち続けるのか。噂通り、主力を売り払ったお金が目的なのでしょうか。

今までの報道を踏まえて、蘇寧グループはインテルを売却するつもりがあるのか、私なりに考察しました。

インテル買収〜経営不振の歴史

 

蘇寧グループ インテル買収

蘇寧グループがインテルを買収したのは、2016年6月6日のことです。

 6月6日、中国の蘇寧電器グループは、本拠を置く南京でインテルのクラブ株式68.55%の取得、経営権を掌握したことを正式発表した。買収額は、現地報道によれば、7億ユーロ(約850億円)と見られている。

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=16405より引用

2年半の間に目立った成績を残せなかったエリック・トヒル前会長から、蘇寧グループが株式を買い取りました。

そこから投資を続けて、徐々に力をつけ2020-2021シーズンに11年ぶりのスクデット獲得を果たしています。

蘇寧グループがオーナーとなってから、4シーズンでセリエAを制覇しました。

コロナ禍による経営不振

全世界でパンデミックを引き起こした、新型コロナウィルス。発生源は中国の武漢と言われています。

コロナが大流行した中国では、深刻な経済危機に陥ります。蘇寧グループも例に漏れず、影響を受けました。

2021年4月23日、中国の電子商取引(EC)大手の蘇寧易購は2020年の通期決算を発表した。純損益は前年の98億4300万元(約1634億円)の黒字から42億7500万元(約710億円)の赤字に転落し、蘇寧易購にとっては上場以来、初めての通年赤字となった。

また、2020年の売上高は前年比6.29%減の2522億9600万元(約4兆1900億円)で、純利益から特別損益を除いた本業での損失も68億700万元(約1130億円)となり、これも上場以来最大の赤字であった。

(中略)

2015年から2019年まで、蘇寧グループは、スーパーマーケット、デパート、スポーツ、エンターテインメントなどさまざまな事業や資産の買収を頻繁に行ってきた。グループの主力上場企業である蘇寧易購だけでも、700億元(約1兆1627億円)を超える投資が開示されている。一方、蘇寧易購の小売事業はまったく収益性がなく、既存債務の返済時期の到来により、蘇寧グループ全体を債務危機に陥れている。

https://article.auone.jp/detail/1/3/6/7_6_r_20210512_1620819212295905より引用

 

また、以下の記事によるとサッカーへの興味を失った中国政府が規制をかけたとのこと。

蘇寧グループがインテルの株を売却する理由は、中国政府がサッカーへの関心を薄れさせていることから、投資に関する新たな規定が加わったため…であるとか。

7年前に中国政府は各企業にサッカーへの投資を奨励し、スポーツビジネスにおける存在感を高めようとしていた。

しかしそれからしばらく経ち、現在中国政府は逆に「サッカーへの投資は奨励できないもの」と見なしており、もはや国の発展に不必要なものだと考えているそうだ。

https://qoly.jp/2021/01/21/china-government-no-longer-active-fot-football-kgn-1より引用

 

これらの影響を受けて、インテルに対する投資は厳しくなりました。

蘇寧グループが保持していた中国のサッカーチーム江蘇FCは約80億円の債務を理由に解散しています。

そんな状態で、インテルのオーナーを続けられるワケがありませんね。

インテル売却

インテル売却の動き

インテル売却の報道が出始めたのは2021年に入ってからです。

『コリエレ・デッロ・スポルト』によると、チャン氏はロスチャイルド銀行に対し、インテルの新しい少数株主を探す権限を与えたとのこと。一方で、クラブ売却の可能性も残しているとしている。

チャン氏は、これまでインテルの少数株主であったライオンロックに代わる新たな株主を見つけようとしているとのことだ。

https://news.infoseek.co.jp/article/webultrasoccer_388564/より引用

2021年1月2日 20時30分に投稿された記事です。

未来のオーナーを探すようロスチャイルド銀行に頼んだようですが、これまでの報道からして見つからなかったのでしょう。

 

 蘇寧グループがインテルの売却を検討している件に関して、英国の投資会社BCパートナーズなど3社が買収に名乗りを上げたようだ。3日に伊メディア『フットボールイタリア』が報じている。

https://www.footballchannel.jp/2021/03/04/post412878/より引用

こちらは、2021年3月4日 9時6分の記事です。

実際、インテルの買収に名乗りを上げる企業があったようです。

しかし、蘇寧グループの評価額が約1290億円となっており、合意には至っていません。

 

そんな中、蘇寧グループは過半数の株式維持のため、アメリカの大手金融グループのゴールドマン・サックスから、2億1300万ポンド(約325億円)の融資を受けることになるとのこと。シーズン終了まではクラブを運営し続けることになるようだ。

一方で、インテルの買収に動く企業もあり、イギリスの国際投資会社であるBCパートナーズは5億9600万ポンド(約909億4000万円)で入札。しかし、蘇寧グループは8億5190万ポンド(約1300億円)と評価しており、オファーを拒否していた。

(中略)

何れにしても株式を100%保有し、その後にクラブを売却すること目指しているとみられる蘇寧グループ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d88d868960ff3ac8e954af85f204e4f6629f619より引用

2021年

これによると、インテルのオーナーを続けるため、ゴールドマン・サックスから300億円以上の融資を受けたとのこと。

クラブの31.05%の株式を保有するライオン・ロックから株式を買い取り、100%保有してからクラブの売却を目指しているようです。

 

インテルに朗報が届いた。20日、アメリカのオークツリー・キャピタルから2億7500万ユーロ(約370億円)の融資を受けることが承認されている。

『ラ・スタンパ』によると、オークツリーの条件はクラブの株式の31%。3年で2億7500万ユーロの返済の見込みが立たない場合、オークツリーが筆頭株主になる。蘇寧グループはオークツリーとの合意を発表した上で、「引き続きインテルを支援してまいります」と声明を出した。

https://calcismo.com/italy/inter/13548/より引用

アメリカのオークツリー・キャピタルから融資を受け、3年で蘇寧グループが返済できなければ、オークツリーがインテルの筆頭株主になるようです。

つまり、蘇寧グループは3年間インテルのオーナーを続けるつもりということでしょうか。

給与未払い問題

蘇寧グループの財政悪化に伴い、選手達への給与が未払いになっているようです。

スカイの報道によると、2020年11月、12月の給与を選手達に諦めるよう要求。額にして3億2400万円に登るようです。

選手からしたらとんでもない話ですね。ぶっちゃけ出て行きたくなる気持ちも分かります。

インテルを売却しないのか?

これまでの報道をまとめると、蘇寧グループはコロナ禍により経営不振に陥り、インテルを売却したいけど希望価格でオファーがなかったということになります。

しかし、株式を担保にオークツリー・キャピタルから融資を受けており、3年以内に返済しなければ蘇寧グループはオーナーの地位を失います。

また、15〜20%の費用削減と、2021夏の移籍市場で130億円の黒字を目指しているとのことです。

 

これらのことを踏まえると、蘇寧グループは規模を縮小しながらもインテルのオーナーを続けるつもりではないでしょうか。

良いオファーが届けば売却していたが、そもそもあまり売るつもりはなかったように見えました。

売却希望額に届かなかったとはいえ、BCパートナーズがオファーした約909億4000万円は充分に魅力的な数字です。

蘇寧グループが約850億円でインテルを買収した時よりも多いですし、コロナ禍であることを考えれば悪くない数字に見えます。

このままインテルのオーナーを続けていても、チケット収入がない状態では利益が出せるか分かりませんし、選手達に給与を払い続ける必要もあります。

本業が危うい状態なのに、そのようなリスクを負う必要があるのでしょうか。

ハキミやルカクを売却しても200億くらいにしかなりませんし、彼らのいないインテルであれば評価額はまた下がるはずです。

 

それでもクラブを売らずに、寿命を伸ばすような融資まで受けるということは、オーナーを続ける意志が固いということではないでしょうか。

ただ、財政難であるのは事実なので、財務をクリーンにするために今夏主力を売却。

コンテ、ハキミ、ルカクはクラブにとって核となる人物でしたが、高額年俸をもらっていました。

彼らを売却して、身の丈に合ったクラブ運営に方向転換しているようにも見えます。

給与未払いの状態は、どう考えても正常ではありませんからね。

まとめ

蘇寧グループはインテルのオーナーを続ける意志がある、というのが私の考えです。

それにあたって、財務を健全化するために維持できない選手達を売却。

規模を縮小して、身の丈に合ったクラブ運営を目指しているように見えます。

そうなると、スクデット獲得は厳しいですね。CL出場権の確保が当面の目標になりそうです。

 

もちろんこの考えが外れて、噂通りに主力を全て売り払ってインテルを捨てるかもしれません。

そうなった場合、全国のインリスタから蘇寧グループは嫌われるでしょう。

また、2度とスポーツチームのオーナーにはさせてもらえないはずです。

これらの企業イメージ損失を気にしないのであれば、ありえる話ですね。

 

インテルと全国のインテリスタにとって幸せな結末が待っていることを願っています。

では!

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