ラツィオ対インテルはシモーネ・インザーギにとって、他の試合とは決して同じにならないだろう。インザーギにとって、ラツィオはサッカー選手、そして監督として過ごしたかつてのチームだ。一方、インテルはイタリアとヨーロッパで彼を大きく成長させてくれたクラブだ。
ローマからミランへ、彼が決してたどるはずのなかった旅が、2020/21シーズンの終わりに、ラツィオとの契約更新がほぼ確実なものになった後、急遽始まった。しかし、その夜に急転直下、考えが変わり、ネラッズーリのベンチに座ることになったのだ。ガゼッタ・デロ・スポルト紙はその当時の出来事をこう振り返っている。
「インザーギは2016年に、まさに人生のクラブで監督としてのキャリアを始め、2021年5月に終えた。別れを予感させるものは何もなかった。最後の試合は2021年5月23日のサッスオーロ戦だった。数カ月にわたる憶測の後、直接監督から確認が取れた。『契約更新について16カ月も話し合ってきました。このクラブが私にとって何を意味するのかを知っているから、それだけが理由で待っていました。そうでなければ、決して待っていなかったでしょう』」
ラツィオ幹部との面会は数日後に設定された。ヴィラ・サン・セバスティアーノで、インザーギ、ロティート会長、事務局長カルヴァーニ、ターレ氏が会談した。まとまらないまま、グループはフォルメッロに向かった。何時間も経った後、ついにクラクションを鳴らしながらインザーギが車で出てきて、待機していた記者たちはポジティブなサインだと解釈した。ラツィオのスカウト部長もゴーサインを出した。契約期間は2024年まで延長され、インザーギの年俸は220万ユーロプラスボーナスに引き上げられることが明らかになった。署名はされていないが、握手は交わされた。インザーギは家に帰り、一部の記者は後をつけた。彼らは、インザーギが午前1時30分頃までバルコニーで歩き回りながら電話で話していたことに気づいた。
「面会の翌日、間もなく発表があるのではないかと思われた。延長に関する公式発表だ。ロティート会長の署名はすでに入っているが、インザーギの署名はない。信じられないような話の続編が繰り広げられた。正午頃、インザーギはロティート会長に電話でさらに保証を求めた。背景には、より高額な給与(シーズンあたり450万ユーロ)とより魅力的な展望を提供したインテルのオファーがあった。ラツィオ会長は激怒し、契約更新は破棄され、インザーギはミラノに向かう高速道路に乗り込んだ。[...] ロティート会長が契約更新を扱った方法に加え、インザーギの考えを変えさせたのは、マロッタらからのプレッシングだった。ピッチ上での素晴らしい成績にもかかわらず、何カ月も待たされたことが無礼だと受け止めたのだ」
引用元 : L’accordo con Lotito, il dietrofront, la svolta: Inzaghi-Inter, ecco come tutto iniziò