CLノックアウトステージの1stレグは、0-2でホームのインテルが落としています。
リヴァプールホームの2ndレグは、かなり厳しい戦いが予想されていました。
結果は0-1で勝利しましたが、2戦合計2-1で敗退となりました。
ラウタロのゴラッソで勢いがつくかに見えた直後、サンチェスがレッドカードで退場したのが痛かったですね。
ただ、その後のインテルの、一発にかける集中力は凄まじかったです。
リヴァプール相手に、2戦とも素晴らしい試合を見せてくれました。
ハイライト
マッチレポート
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試合データ
WhoScored.comより引用しています。
リヴァプール | インテル | |
---|---|---|
得点 | 0 | 1 |
ポゼッション | 62.4% | 37.6% |
シュート(枠内) | 12(2) | 6(3) |
ブロックされたシュート | 4 | 2 |
ビッグチャンス | 3 | 0 |
パス(成功数) | 720(628) | 433(342) |
クロス(成功数) | 21(5) | 11(0) |
コーナー | 8 | 2 |
タックル | 8 | 16 |
インターセプト | 6 | 7 |
クリア | 10 | 27 |
リヴァプールがボールを保持して、インテルが耐えて少ないチャンスを狙う展開となっていました。
後半はより殴り合いの展開となり、チャンスが多く生まれていました。
リヴァプールは、ポストやクロスバーに嫌われていましたね。
個人的なレビュー
個人的なゲームのポイントをまとめます。
ポイント
- 両者の良さを消しあった前半
- 全てをかけた後半
- ワンチャンスを狙ったインテル
1.両者の良さを消しあった前半
インテルがこの試合で狙っていたのが、ペリシッチの突破がある左サイドです。
左サイドで押し込むことによって、危険なアーノルドを抑える狙いもありました。
しかし、それを察知したリヴァプールはハイプレスをかけて、逆にインテルを押し込みました。
ペリシッチも自陣に押し込まれ、逆にアーノルドが攻撃的な位置を取ります。
当初の狙いを諦めたインテルは、失点しないよう後ろに比重を置いて、後半のためにスタミナを温存していました。
押し込む展開となったリヴァプールは、インテルのDFラインと中盤の間のスペースを狙っていました。
両CBとファビーニョで三角形を作り、ラウタロとサンチェスを真ん中に釘付けにします。
アーノルドとロバートソンはインテルのWBを押し込み、カーティスとチアゴは引いてきてチャルハノールとビダルを引っ張り出そうとしていました。
そうして空いたスペースでジョタが受けて、前を向く狙いだったと思います。
インテルはコンパクトに保って、中盤が引っ張られ過ぎないないよう注意していました。
両者が狙いを潰し合った結果、前半は膠着状態となりました。
2.全てを掛けた後半
インテルは前半リスクをかけない戦い方でスタミナを温存して、後半に全てを賭けました。
アーノルドとロバートソンが持ったら、WBのペリシッチとドゥンフリースが前に出てプレスをかけます。
裏のスペースが空くリスクはありますが、点を取るためにはどこかを捨てなければいけません。
どちらが先に点を取るかの勝負となりました。
その賭けに勝ったインテルは、1点を返すことに成功します。
タッチライン際まで出たマティプのパスを、高い位置でカットして少ないタッチでラウタロに渡します。
マティプがいない分ラウタロがファン・ダイクと1対1になり、意表を突くミドルシュートでゴラッソを決めました。
しかし、勢いに乗ろうかという瞬間にサンチェスが退場...
3.ワンチャンスを狙ったインテル
サンチェスの退場とブロゾビッチの負傷交代により、残り20分を残しインテルができることはほぼ無くなりました。
失点だけは避けて、セットプレイを獲得して点を取るしかありません。
このワンチャンスにかけて、インテルは耐え続けました。
少しでも前にボールを運べるよう、ワントップにドリブルが得意なコレアを置きます。
少ない人数でも頑張ってプレスをかけ、途中で引っ掛けてカウンターも狙っていました。
しかし、最後までチャンスは訪れず。さすがリヴァプールですね。
前半
インテルは最初、前からプレスをかけますが、圧力に負けて自陣に閉じこもりました。
そうしてリヴァプールが押し込む展開が続く中、30分に決定機を作ります。
アーノルドが左サイドのFKからピンポイントのクロスを送り、マティプの頭に合わせますがクロスバーに当たりました。
続くCKではアーノルドのキックにファンダイクが頭で合わせますが、インテルDFがブロックしました。
対するインテルは、40分にチャンスを作ります。
右サイドのPAギリギリでFKを獲得し、チャルハノールがDFとGKの間にワンバウンドのクロスを送ります。
難しいボールでしたが、アリソンがセーブしました。
アディショナルタイムには、距離のある位置で得たFKをアーノルドがシュートしますが、枠の左に外れました。
前半は、スコアレスドローで終了します。
後半
後半に入り、2点が必要なインテルがプレスを強めました。
しかし、最初の決定機はリヴァプールに訪れます。
高い位置でファビーニョにボールを回収されて、チアゴからPA内に浮き球のパスを送られます。
ハンダノビッチが飛び出してボールを弾きますが、サラーの足元にこぼれました。
ゴールが無人になりかけますが、DFが2人ゴール前をカバーしたことでコースが狭まり、サラーのシュートはポストに当たりました。
対するインテルは、59分にチャンスを作ります。
サイドに開いたブロゾビッチが中にパスを送り、サンチェスがスルーしてラウタロの足元に入ります。
キックフェイントでDFをずらしてシュートを放ちますが、枠を外れました。
この2分後にインテルが1点を奪います。
マティプのボールをペリシッチがカットし、少ないタッチで繋いでラウタロに渡します。
対峙するファン・ダイクの意表を突いたミドルシュートを放ち、アウト気味にかかったボールがアリソンを抜いてゴール右上に決まりました。
しかし、その直後のプレイでサンチェスが退場となります。
先にボールに触っていたとはいえ、足裏を見せたスライディングで2枚目のイエローをもらいました。
勢いを削がれたインテルは、引いてワンチャンスにかけます。
76分には、マネの浮き球のパスに抜け出したサラーが、ダイレクトシュートを打ちますがポストに当たりました。
アディショナルタイムには、ディアスがゴール前で決定機を迎えるも、ビダルの身体を張ったシュートブロックで何とか失点を免れます。
インテルは、1点が遠く0−1のまま試合は終わりました。
2戦合計2-1で、インテルは敗戦となりました。
選手レビュー
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MOMはアーノルド
WhoScored.comによるMOMは、アーノルドでした。
パス成功数は72本でファン・ダイクに次ぐ2位。タッチ数127回、キーパス数5本はトップの数字です。
FKでは持ち前の正確なキックでチャンスを演出。
守備でも、インテルの強みであるペリシッチをよく抑えていました。
中村憲剛が「SBはチームで一番上手くないといけない」と言っていましたが、アーノルドは正に理想的な選手です。
元々攻撃は完璧でしたが、そこに守備力が加わると欠点がなくなりますね。
一矢報いたラウタロ
この試合でゴールを決める難易度は、非常に高かったです。
ボールを支配するリヴァプールに対してシュートチャンスはあまり作れませんし、ゴール前にはマティプとファン・ダイク、最後の壁としてアリソンもいます。
プレスをかけてもセンターラインより前で回収できる回数も少なく、奪ってもすぐにプレスが来るため前線に質の高いボールはきません。
その中で、勝負をかけた後半にラウタロがスーパーゴールを決めてくれました。
恐らく、あそこでこねてもファン・ダイクは抜けなかったでしょう。
味方のサポートを待っても、状況は好転しなかったはずです。
ここしかないというタイミングで、最高のコースにシュートを決めてくれました。
61分と時間帯も最高でしたね。
痛かったサンチェスの退場
予想外のスタメンとなったサンチェスですが、プレイ自体は悪くありませんでした。
リヴァプールのハイプレスをくぐるため、ビルドアップに積極的に参加して中盤を助けていました。
チャンスメイクに徹して、守備でも献身的にプレスバック。
ただ、スライディングが下手でしたね...
足裏を見せたスライディングで、2枚のイエローを貰ってしまいました。
2枚目は厳しすぎる気もしましたが。
プレイが悪くなかっただけに残念ですね。しかも、チームが勢いに乗りかけたタイミングだったのが更に痛かったです。
次はトリノ戦
CLは残念ながら、ベスト16で敗退しました。
ただ、久々の決勝トーナメントを楽しませてもらったため、個人的には非常に満足です。
来シーズンはベスト8を狙いたいですね。
さて、CLを敗退したことで、過密日程が少し緩和されます。
次は、アウェイでトリノと対戦します。
その後フィオレンティーナ、ユベントスと続くためここは落とせない試合ですね。
2022年3月14日(月) AM4:45キックオフです。
負傷交代したブロゾビッチは大丈夫でしょうか?
また、契約延長のニュースが全然出てこないのも不安です。発表の時期を待っているだけだと良いのですが。
では!