先日ミラノダービーが行われました。ミラノ勢で首位攻防戦をするなんて何年ぶりでしょうか。
前節、首位に立ったインテルですが、ここで負けるとすぐさま2位に転落です。
今シーズンのスクデットを獲得するためにも、絶対に負けられない一線でした。
結果は、3-0の勝利でした!!
ハンダノビッチが神がかっていましたね。インテルのキャプテンがトロフィーを掲げる姿がやっと見れるかもしれません。
ハイライト
マッチレポート
試合データ
WhoScored.comより引用しています。
ミラン | インテル | |
---|---|---|
得点 | 0 | 3 |
ポゼッション | 60% | 40% |
シュート(枠内) | 14(8) | 16(6) |
パス | 612 | 407 |
クロス | 36 | 14 |
コーナー | 7 | 7 |
シュートブロック | 2 | 3 |
タックル | 18 | 12 |
ラツィオ戦と同じメンバーで挑んだインテルですが、基本的にカウンターに徹していました。プラン通りに試合を進め、3点を奪っています。
イブラヒモビッチへのクロスも多くピンチもありましたが、上手く対応し無失点に抑えました。
電光石火の先制点
緊張感のある試合になると予想していましたが、先制点は開始4分で生まれました。
ミラニスタがロマニョーリを批判していましたが、先制点はまさにそんなシーンでしたね。
スルーパスにルカクが抜け出しますが、ロマニョーリは反応が遅れ、振り切られていました。
ルカクの最初のクロスは、ケアーにブロックされますが自ら拾い、中を見て左足のピンポイントクロス。
カラブリアとケアーの間に入ったラウタロが、ドフリーでヘディングシュートを叩き込みました。
ケアーの背後を上手く取りましたね。ファーにはペリシッチが入っており、カラブリアはそちらに引きつけられました。
試合開始早々に得点を奪ったインテルは、ラインを低く保ちカウンターを狙います。
ハキミとペリシッチの両WBは、前からプレスに行かず、早めに5バックを形成することを意識していた様に見えました。
おかげで裏を取られるシーンが少なく、安定した守りを見せていました。
ペリシッチがWBにハマってきたのは、ハイプレスをしなくなったのも影響しているかもしれません。
上下の運動量が減り、スタミナの面でも落ち着いてプレイできるようになったのかなと予想しています。
ミランはボールを持っても中に入れず、アーリークロスでイブラを狙う形が多かったです。
単純なクロスが多かったので、守備陣がボールを弾き返し続けていました。味方同士が被るシーンがあって、少し怖かったですが。
前半30分くらいまでは、ミランのプレス強度が低かったこともあり、セカンドボールを拾いカウンターにつなげていました。
ルカク、ハキミ、バレッラの連携は見事ですね。綺麗にパスを繋ぎ、相手を置き去りにしていました。
ただ、30分を過ぎた辺りから、ミランのプレスがハマり始めます。セカンドボールが、段々とミランに拾われるようになっていきます。
奪った後のボールを狙われていたため、自陣ゴール近くでカットされるシーンも増えてきました。
前半は0−1で終わってくれれば御の字という状況。なんとか前半は、先制点を守りきります。
神のセーブ3連発
後半の入りも、ミランは積極的にハイプレスをかけます。すると、立て続けに決定機を迎えました。
クロスとCKからのイブラのヘッド、トナーリの左足ミドルと、いずれも強烈なシュートが飛んできました。
しかし、守護神ハンダノビッチが、驚異的な反応で立て続けにセーブします。
今シーズンは、衰えも指摘されたハンダノビッチですが、まさに神がかっていましたね。
いつ失点してもおかしくない状況が続きますが、インテルは虎視眈々とチャンスを狙っていました。
ミランはハイプレスによって、裏に大きなスペースが空いていたからです。
上手くルカクに当て裏に通せば、ハキミ辺りが抜け出し、ビッグチャンスを狙える状況でした。
そして、キャプテンを中心に流れを渡さなかったインテルが、ついに追加点を奪います。
ハキミがボールを持った時、2人が囲みに来ましたが、あっさりドリブルで躱します。
前に大きなスペースができたため、CB2人はズルズルとラインを下げます。
バイタルエリアが大きく空き、そこに飛び込んだエリクセンにパス。
ペリシッチの上がりを待ち、PA内に入った所でスルーパス。中で斜めの動きでフリーとなったラウタロに折返し、ダイレクトで決めました。
ラウタロはこの日2点目となります。
痛すぎる追加点を奪われたミランは、トーンダウンしプレスもはまらなくなってきました。
引いてガッチリ守るインテルに対し、攻めあぐねます。
不用意なロストから、カウンターを食らうシーンも増えてました。
インテルが注意するのは、イブラへのクロスのこぼれと、チャルハノールのドリブル突破です。
チャルハノールは、カットインし楔のパス、スルーパスを狙っていたため、危険な存在となっていました。
そして、66分にはルカクの個人技で追加点を奪います。
プレスで追い詰められたペリシッチが、ラフに蹴ったボールがルカクにフリーで渡ります。
前を向き、ドリブルでどんどん持っていきます。右にはハキミが並走していました。
後ろからケアーとケシエが追いかけますが、スピードに乗ったルカクに追いつくことはできません。
ロマニョーリと一対一の状況になり、PA手前で緩急をつけ大きくドリブル、シュートコースが空きニアにぶち込みました。
化け物じみたゴールですね。これでルカクは、ミラノダービー4戦連発のようです。
ミランは、これで完全に息の根を止められました。
75分にはイブラも交代し、前線の起点がなくなります。クロスによるこぼれも狙えなくなっていました。
危険なシーンを作られることなく、試合終了のホイッスルです。
見事0−3で勝利しました!
選手レビュー
キャプテンハンダノビッチ
今シーズンは、批判されることもあったハンダノビッチですが、この試合ではもの凄い存在感を放っていました。
後半開始早々のセーブ3連発は、鳥肌モノですね。
2010年代のインテル暗黒期を支えてくれたハンダノビッチには、ぜひともスクデットを掲げて欲しいですね。
ラノッキア、ブロゾビッチ、ペリシッチ、ダンブロージオも同様です。
エリクセンとペリシッチ
この重要な一戦に起用された、ペリシッチとエリクセン。見事にインテルに馴染みましたね。
WhoScored.comによるとペリシッチは、キーバス3本、タックル3回、インターセプト4回(全てチーム1位)と、好守に貢献していることが分かります。
アシストも2回です。完全に左サイドを制圧していましたね。守備が段違いに良くなりました。
ドリブルもキレが戻ってきており、突破するシーンが増えてきています。
エリクセンも見事、インテルにフィットしていますね。
ラツィオ戦、ミラン戦共に先制点を奪ったこともあり、カウンターで戦っていました。
ボールを奪ったら、インテルの両WBとFWが一気に走り出しますが、そこに正確なパスを送れる選手が必要です。
バレッラ、ブロゾビッチ、エリクセンは全員パス精度が高く、カウンターの起点になれるのが強みですね。
ボールを失わなくなったラウタロ
少し前まで、相手に当たられたらすぐに転がっていたラウタロですが、ここ2試合の貢献度は非常に高いです。
この試合は、ケアーを相手に優位に試合を進めていました。
トラップで躱して持ち上がるシーンも増えてきており、簡単には奪われなくなっています。
自ら狙うだけでなく、確率の高い方を選択するプレイで、チームの助けとなっていました。
また、守備意識も高く、相手にプレスをよく掛けていましたね。
何より、2ゴールは見事です。
どちらも、ポジショニングが完璧でした。相手の裏を取る、オフザボールの動きが素晴らしかったです。
圧倒的なルカク
この試合でも圧倒的な存在感を見せていました。
ロマニョーリを相手に、完全に主導権を握っていましたね。
開始4分のピンポイントクロス、3点目のドリブルからのゴールと、素晴らしい活躍でした。
ラウタロが「ルカクは素晴らしいが、まだまだ成長できる」と言っていましたが、これ以上何をするのでしょうか。
このゴールで、得点ランク単独首位となったルカクですが、今シーズンは得点王も狙って欲しいですね。
次節はジェノア戦
強豪との連戦を終え、次節は11位のジェノアと戦います。
2021/2/28 (日) 23:00 キックオフです。
ここでつまづくと、ミラノダービーでの勝利がふいになってしまいます。
気を抜かず、勝利して欲しいですね。
では!