高校時代にサッカー部で補欠だった私は、交代で名前を呼ばれる度に緊張で「試合に出たくない」と思っていました。
スタメンの選手が怪我をしたと知った時も、チャンスが来たとは考えられませんでした。
しかし名門インテルに辿り着いたエリート達は、そんなチキンな考えは一切持たず、レギュラーになるため日々努力を重ねているのでしょう。
今節のベンフィカ戦は、レギュラーを目指すサブ組にとってアピールのチャンスとなりました。
フォーメーション
サブ組の意地
- JMの逆襲
- 今シーズン最低の前半
- インサイドハーフの立ち位置修正
- サンチェスとアルナウトビッチについて
JMの逆襲
この試合のインテルは、前節のユヴェントス戦からスタメン8人を変更しました。
アチェルビ以外は、今シーズンサブ組と見られている選手たちです。
サブ組にとっては、アピールの大きなチャンスとなりました。
対するベンフィカは、ほぼベストメンバーでした。
左ウィングに入ったのは、2016〜2021年までインテルに所属していたジョアン・マリオです。
ジョアン・マリオといえば、ある事件が思い出されます。
2017-2018シーズンの冬にウェストハムにレンタル移籍したのですが、そこで「イタリア移籍は失敗だった。」「もう戻りたくない」 「イタリアには行くなよ。」などとインテルをdisったのです。
当然この発言にインテルファンは怒り、ジョアン・マリオは謝罪をしたものの、最終的には2021年にベンフィカに完全移籍しました。
このような経緯で少なからずインテルと遺恨があるのですが、ジョアン・マリオはこの試合の前半だけでハットトリックを決めてきました。
しかも、3点ともしっかりゴールセレブレーションをするおまけ付き。
インテルファンとしては、歯ぎしりが止まらない展開でした。
今シーズン最低の前半
前述の通り、ジョアン・マリオに前半だけでハットトリックを喰らいました。
インテルにとっては、今シーズン最低の前半だったといえます。
ジョアン・マリオはもちろん、ワントップのテンシュテットを捕まえきれませんでした。
3点ともテンシュテットのアシスト?でしたが、サイドに流れてゴール前のスペースを作る動きが厄介でした。
その作られたスペースに飛び込んでくる選手に、マークが付ききれなかったです。
経験値の少ないビセックは、テンシュテットかジョアン・マリオのどちらをマークするか迷って、中途半端なポジショニングで失点に絡みました。
1失点目はテンシュテットにビセックとデ・フライの2人が釣られたことでゴール前のスペースを作られ、飛び込んできたジョアン・マリオに流し込まれました。
2失点目は、ボランチに入ったアスラニのミスからです。
自陣でボールを奪った後、すぐさま2人に囲まれて奪われショートカウンターを受けました。
テンシュテットのクロスがビセックに当たり、ジョアン・マリオに流し込まれました。
3失点目もテンシュテットのクロスに、ジョアン・マリオが合わせる形です。
テンシュテットにパスを送ったラファ・シウバに、アスラニが背後を取られたのが一つの大きなミスでした。
惨憺たる守備でしたが、攻撃もお粗末さんでした。
ディフェンスラインやアスラニがボールを持った時に、パスの受け手がいなかったのが気になりました。
本来パスの潤滑油になるべきインサイドハーフのクラーセンとフラッテージが、相手選手に隠れてパスを受けられるポジショニングができていなかったです。
インサイドハーフの立ち位置修正
前半をやっとこさ終えたインテルは、ハーフタイム中にシモーネが修正を行ったようです。
インサイドハーフのフラッテージとクラーセンが、パスコースを作るためのポジショニングをするようになりました。
これで、ビルドアップが格段にスムーズになりました。
ゴール前にボールを運べるようになり、期待感の持てる攻撃が増加。
そして51分にコーナーキックから、アルナウトビッチが1点を返しました。
早い時間帯に1点を返すと、58分にもフラッテージのボレーから2点目を奪うことに成功。
ペナルティエリア内でのフラッテージの得点センスは、中盤の選手としては突出していますね。
交代枠を使うことなく1点差まで詰め寄り、サブ組の意地を見せてもらいました。
サンチェスとアルナウトビッチについて
シモーネは68分にテュラム、バレッラ、クアドラードを投入して3点目を狙いました。
すると、テュラムが早速仕事をします。
サンチェスのプレスバックからボールを奪い、フラッテージがテュラムにボールを渡します。
センターライン付近からドリブルで仕掛け、ペナルティエリア内でオタメンディに倒されてPKを獲得しました。
このPKをサンチェスがしっかりと決めて、同点に追いつきました。
改めて、テュラムの怪物ぶりが証明されましたね。
この活躍を見るとサンチェスとアルナウトビッチは、1点ずつ決めたとはいえ少し物足りなさがあります。
特にアルナウトビッチは、前線で溜めを作るプレイが少ない気がします。
ボローニャ時代は身体を張ってボールをキープするプレイが上手かったのですが、インテルではあまりその姿を見れていません。
ジェコの代役的な部分もあるので、得点力もそうですが前線の起点としての貢献も期待したいです。
サンチェスは前線にいてもボールが来ないので、自陣に下りてボールを引き出すプレイが多くありました。
ただ低い位置で失ってカウンターを受けることもあったので、気を付けて欲しいです。
今シーズンはテュラムとラウタロが凄すぎるので、サンチェスとアルナウトビッチに物足りなさを感じてしまうのかもしれません。
しかし、長いシーズンを戦うにはサブ組の力が必ず必要になるため、ベテランFW2人の奮起に期待したいです。
ゲームに話を戻すと、3点差を追いついたインテルが当然4点目を狙いに行きました。
ところどころ危ないカウンターは受けましたが、ビセックのカバーもあり失点は許しませんでした。
86分にはアントニオ・シウバの退場もあり、流れは俄然インテルです。
しかしバレッラのシュートがポストに嫌われるなど、結局得点は生まれませんでした。
激闘の結果、3-3のドローで試合は終わりました。
ハイライト
試合データ
WhoScored.com・SofaScoreより引用しています。
ベンフィカ | インテル | |
---|---|---|
3 | 得点 | 3 |
41.2% | ポゼッション | 58.8% |
11(5) | シュート(枠内) | 14(8) |
2 | ブロックされたシュート | 2 |
2 | コーナー | 6 |
2 | ビッグチャンス | 4 |
5 | GKのセーブ | 2 |
433(376) | パス(成功数) | 606(556) |
9(2) | クロス(成功数) | 20(5) |
12(6) | ドリブル(成功数) | 19(8) |
91 | ボールロスト | 99 |
41 | 競り合い勝利 | 42 |
21 | タックル | 14 |
7 | インターセプト | 6 |
18 | クリア | 11 |
ベンフィカ | 3-3 | インテル |
---|---|---|
ジョアン・マリオ | 5' | |
ジョアン・マリオ | 13' | |
ジョアン・マリオ | 34' | |
51' | アルナウトビッチ | |
58' | フラッテージ | |
68' | クアドラード ダルミアン バレッラ クラーセン テュラム アルナウトビッチ | |
ジョアン・マリオ | 72' | サンチェス |
76' | クアドラード | |
77' | ディマルコ デ・フライ | |
モラト | 78' | |
ムサ テンシュテット コクチュ フロレンティーノ | 79' | ラウタロ サンチェス |
アントニオ・シウバ | 86' | |
アラウホ ディ・マリア | 89' | |
シキーニョ ジョアン・マリオ チアゴ ラファ・シウバ | 99' |
アイコンの説明
ゴール
イエローカード
投入
オウンゴール
レッドカード
交代
次節はナポリ戦(H)
サブ組が意地を見せて、3点差を追いついたインテル。
次節はマッツァーリを新監督に迎えた、ナポリと対戦します。
ユヴェントスが勝っているため、この試合に勝って首位をキープしたいですね。
2023/12/3(日) 28:45キックオフです。
では!