人は迷いながら物事に取り組んでも、良い結果は出にくいものです。
適当に勉強して試験に臨むより、出題範囲を把握して計画的に勉強した方が成果が出ることは明白です。
それはサッカーも同じで、プレイに迷いのないチームは手強いです。
今節インテルが対戦したジェノアも、チーム全体でやることが決まっていたようで、選手一人ひとりに迷いがありませんでした。
そのため各選手のプレイスピードが速く、インテルが後手に回ることが多く苦戦を強いられました。
フォーメーション
迷いのないチームは手強い
- ハイプレス時のインテルの弱点
- 厄介なエクバンとグドムンドソン
- もったいない失点
- 引き分けを狙われる
ハイプレス時のインテルの弱点
今シーズンのインテルを見ていて、危うさを感じていた部分があります。
それは高い位置からプレスをかけた時に、ディフェンスラインの前にスペースが空くことです。
守備時は5-3-2になりますが、ハイプレスをかける時は中盤より前(3-2)の選手が高い位置を取ります。
しかし5となるディフェンス陣はセンターライン付近に留まるため、守備ブロックが間延びしてしまうという問題がありました。
相手のフォワードなどにロングボールを収められると、疑似カウンター気味の攻撃を受けてしまいます。
とはいえインテルは、ここまでセリエAで最小失点のチームです。
上記の弱点が、大きな問題になることはありませんでした。
ハイプレスをかけるタイミングが限定的なことと、前線にロングボールが入ってもアチェルビが潰してくれていたことが大きな要因です。
ただ今節は、ジェノアにその弱点を突かれる形で攻め込まれることが多くなってしまいました。
厄介なエクバンとグドムンドソン
インテルがハイプレスをかけた時の弱点として、守備陣の前のスペースが空くというお話をしました。
今節は、その弱点とジェノアの戦術がかっちりとハマってしまいました。
ジェノアは自陣でプレスをかけられた際に、シンプルに前線にロングボールを蹴ります。
ターゲットは、2トップの一角に入ったエクバンです。
普段であればアチェルビが跳ね返すところですが、フィジカルも強くスピードもあるエクバンに手を焼きました。
エクバンに前線で起点を作られて、守備陣だけで対応するというシーンが度々ありました。
そして、もう一人厄介だったのがグドムンドソンです。
トップ下のような位置取りで、エクバンがロングボールに競った後のこぼれ球を回収していました。
グドムンドソンはチャルハノールが空けたスペース等、ギャップに入ってくるので捕まえにくかったです。
インテルは、この2トップの縦関係に苦戦しました。
もったいない失点
この試合は、インテルが支配できていたとはいえません。
前述のように、シンプルな攻撃を仕掛けてくるジェノアに押され気味でした。
ボールを持った時も、5-3-2でブロックを作るジェノアを崩せず単調な攻撃が続きました。
テュラムも簡単なミスで、ボールロストが目立ちました。
しかし、42分に先制点を奪ったのはインテルです。
ダルミアンのロングスローにペナルティエリア内でビセックが競り、こぼれたボールがバレッラに渡りました。
バレッラはボレーシュートを放ち、ポストに跳ね返ったボールをアルナウトビッチが押し込みました。
アルナウトビッチのリーグ戦初ゴールで先制したインテルですが、前半の内に追いつかれました。
コーナーキックからドラグシンに、ヘディングシュートを決められました。
あの失点は、ドラグシンを褒めるしかありませんね。
ただ前半の内に追いつかれるのは、もったいなかったです。
引き分けを狙われる
同点のまま後半を迎えましたが、その後も得点に動きはありませんでした。
ジェノアは61分にエクバンからレテギに代えたことで、前線でボールが収まらなくなります。
あわせて、インテルがボールを持つようになりました。
5-3-2のブロックを作るジェノアに対して、フリーになりやすいバストーニの攻撃参加が増えました。
ただバストーニが上げたクロスは、惜しくも得点に繋がりませんでした。
そして時間が絶ち、終盤になるにつれてジェノアは時間稼ぎをするようになりました。
ホームとはいえ、首位が相手なので勝ち点1でもいいと思ったのでしょう。
そこの切り替えに関しても、チームに迷いがありませんでした。
ゴールキーパーのマルティネスは、ボールをキャッチする度に倒れこんで時間を稼いでいました。
結局両チーム得点は生まれず、1-1のドローで試合が終了。
意外性のある攻撃ができるディマルコのテクニックと、ラウタロの決定力が恋しくなる試合でした。
ハイライト
試合データ
WhoScored.com・SofaScoreより引用しています。
ジェノア | インテル | |
---|---|---|
1 | 得点 | 1 |
47.7% | ポゼッション | 52.3% |
13(4) | シュート(枠内) | 16(6) |
4 | ブロックされたシュート | 4 |
8 | コーナー | 2 |
0 | ビッグチャンス | 1 |
5 | GKのセーブ | 3 |
372(293) | パス(成功数) | 426(366) |
27(10) | クロス(成功数) | 16(3) |
8(4) | ドリブル(成功数) | 9(3) |
117 | ボールロスト | 97 |
40 | 競り合い勝利 | 38 |
10 | タックル | 10 |
5 | インターセプト | 3 |
13 | クリア | 28 |
ジェノア | 1-1 | インテル |
---|---|---|
42' | アルナウトビッチ | |
ドラグシン | 45+7' | |
バスケス デ・ウィンター | 46' | |
レテギ エクバン マリノフスキー ストロートマン | 61' | |
グドムンドソン | 66' | |
ドラグシン | 69' | |
70' | サンチェス アルナウトビッチ | |
77' | バレッラ | |
メシアス マルティン | 78' | フラッテージ バレッラ ドゥンフリース ダルミアン |
86' | ムヒタリアン | |
90' | クラーセン ムヒタリアン パヴァール ビセック |
アイコンの説明
ゴール
イエローカード
投入
オウンゴール
レッドカード
交代
次節はヴェローナ戦(H)
2023年最後の試合はドローとなり、ユヴェントスに勝ち点差を2に縮められました。
とはいえ、冬の王者はインテルに決まりました。
新年も勝ち点を重ねて、20回目のリーグ優勝を達成して欲しいです。
新年一発目の対戦相手は、ヴェローナとなります。
2024/1/6(土) 20:30キックオフです。
では!