2023年最後の試合、ジェノアとの引き分けは、インテルにとって悔しい記憶として残っています。
年越しを前に、勝利を逃した無念さを抱えていました。
しかし、セリエA第27節、リベンジの機会が訪れます。
ホームスタジアムにジェノアを迎えたインテルは、今度こそ勝利を掴み取るべく激しい戦いに挑みました。
フォーメーション
苦い記憶
- レテギが強い
- 間隙を縫う得点
- 攻撃的なモードチェンジ
- 耐えるための交代
レテギが強い
最初に以下のヒートマップを見てみましょう。
※セリエA公式より引用
これだけ見ると、インテル(左)がジェノア(右)をひたすら押し込んだ試合に見えます。
しかし試合を見る限り、(特に後半は)かなりジェノアに押し込まれた印象があります。
なぜそうなったのでしょうか。
まず、前半のジェノアの戦術を確認します。
自陣でのボール保持の際に特徴的だったのが、3バックのバニとバスケスの距離感でした。
2人はかなり幅を取っており、右CBのデウィンターが押し上げられていました。
左WBのマルティンは低い位置を取るので、実質4バックの形になってビルドアップを行います。
逆に右WBのサベッリは、かなり高い位置を取っていました。
前半におけるジェノア(右)のポゼッション時の平均配置は、以下のようになりました。
※セリエA公式より引用
ほぼ4バックですね。
20番のサベッリは(ドゥンちゃんもですが)、WGかというくらい高い位置を取っています。
狙いとしてはインテルのプレスを誘引して、前線へのロングボールで盤面をひっくり返すことでした。
ターゲットはレテギです。
レテギが強かったですね。デ・フライとの競り合いを制して、前線で収めるシーンが多くありました。
細身に見えますが、意外と186cmあるんですね。
南米系の血が入っていることもあり、ラウタロと同じで身体の使い方も上手かったです。
レテギが競り合った後のこぼれ球を、グドムンドソンが虎視眈々と狙っていました。
間隙を縫う得点
ジェノアは前半の15分、様子見感の強い守備をしていました。
ミドルサードで5−3−1−1のブロックを作り、DFラインにはある程度自由に持たせます。(トータルのタッチ数トップは、105回でカルロス・アウグスト)
アスラニは、レテギがしっかりめに監視していました。
しかし、15分を過ぎた辺りから、徐々にハイプレスをかけるようになりました。
ゾマーへのバックパスにも、勢いを持ってプレスをかけます。
それにより、ボールが落ち着かない時間帯が増えていきました。
時間帯別のポゼッション率も以下の通りで、30分を過ぎてからどちらのボールでもない時間が増えています。
※セリエA公式より引用
その中で、30分にインテルが素早い攻撃から先制点を奪いました。
マルティネスにプレッシャーをかけてミスキックを誘発すると、デ・フライがレテギとの競り合いを制してバレッラにボールをつけます。
ライン間に入ったサンチェスに繋ぎ、PA内に飛び出したアスラニにスルーパス。
マルティネスの頭上を射抜く、強烈なシュートを突き刺しました。
アスラニは、インテル移籍後初ゴールです。おめでとう!!
32分にはバタつくジェノアから、追加点のチャンス。
インテルお得意のプレス誘引から、ライン間に降りたラウタロに繋ぎます。
中盤から飛び出したバレッラにスルーパスが通り、ボックス内まで運んでシュート。
シュートはブロックされるも、アフターチャージを受けてVARの結果PKになりました。
キッカーはサンチェス(ラウタロが譲った?)です。マルティネスの逆を突いて、しっかりと決めました。
攻撃的なモードチェンジ
後半に入り、インテルが保持する時間が続きました。
しかし、54分に一瞬の隙を突かれて失点します。
アスラニがセンターサークル付近で失うと、カウンターを受けて押し込まれます。
クロスを跳ね返すも、ボックスの外からバスケスにダイレクトボレーを決められました。
ゴール期待値も0.04と難しいシュートですし、決めたバスケスを褒めるしかありませんね。
同点弾を狙うジェノアは、63分に選手交代を行いました。
左WBのマルティンとIHのメシアスを下げて、スペンスとヴィティーニャを投入。
サベッリが左WB、グドムンドソンが中盤、ヴィティーニャが2トップの一角、スペンスが右WBに入りました。
両WBに仕掛けられる選手を配置。
グドムンドソンのポジションを下げることで、前線との中継役を増やします。
また、フレッシュなヴィティーニャを前線に入れることで、出力を上げて前からプレスをかけるようになりました。
この交代により、しばらくジェノアの時間が続きます。
10数分間、インテルは押し込まれて耐える時間が続きました。
逃げ切るための交代
ジェノアに押し込まれる時間が続き、シモーネが選手交代を行います。
73分にパヴァールに替えて、長身のビセックを投入。
ボックス内で跳ね返したい、という意図の交代でした。
また、76分にラウタロをアルナウトヴィッチに替えます。
ラウタロは調子が悪かったのか、前線で収まりが悪かったですね。
2トップが変わったことで、インテルが陣地を回復できるようになりました。
82分に、ようやく相手陣内でチャンスを作ります。
ジェノアの勢いを止めることに成功し、残り時間をうまく消費して逃げ切りに成功しました。
久々の苦戦でしたが2−1で勝利し、リーグ戦9連勝を達成しました。
ハイライト
試合データ
※セリエA公式より引用
次節はボローニャ戦(A)
ジェノア戦の勝利で、勝ち点は72に到達。
11試合を残して、はやくも昨シーズンの勝ち点に並びました。
2位ユヴェントスとの勝ち点差は15に広がっています。
スクデット獲得に向けて、視界は良好ですね。
次節は、難敵ボローニャと対戦します。
2024/3/9(土) 26:00キックオフです。
今シーズンはまだ勝てていない相手なので、リベンジしたいですね。
では!