日本では久保が所属するレアル・ソシエダの、20季ぶりのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出が話題になりました。
しかしその裏では、ザルツブルクを0-1で下してインテルも決勝トーナメント進出を決めています。
そのザルツブルク戦のスタメンを見て、驚いたインテルファンも多かったのではないでしょうか?
前節アタランタ戦(最近のベストメンバー)から、スタメン4人を変更する大幅なターンオーバー。
最大のサプライズは、今シーズン初スタメンを飾った23歳のドイツ人ビセックの抜擢でした。
この采配から、シモーネが長いシーズンを見据えて戦っていることが分かりました。
フォーメーション
テーマは省エネ
- テーマは省エネ
- ザルツブルク戦の価値
- 省エネのサッカー
- 違いを見せる男たち
テーマは省エネ
今シーズンのインテルは、省エネをテーマに戦っているように感じます。
過去2シーズンはリーグ戦で優勝を逃していますが、その大きな理由が主力組のコンディション不良による失速でした。
スタメンを酷使した結果シーズン中に息切れを起こし、格下相手にもポロポロと勝ち点を落としていました。
その反省を活かしたのか、今シーズンは「できるだけ疲れないサッカー」を目指しています。
顕著なのがバレッラの守備タスクの軽減です。
昨シーズンまでは、インサイドハーフのバレッラが守備時に長い距離をスプリントして、相手のセンターバックかサイドバックにプレスをかけるシーンがよくありました。
スタミナオバケのバレッラだからこなせるタスクですが、消耗も大きかったことでしょう。
それに比べると今シーズンは限定的にその姿を見ることはあっても、ほとんどの試合でプレスを行っていません。
チーム全体で見てもハイプレスをかける回数は減っており、まずはブロックを作ってしっかり守り消耗を減らしたいという意図を感じます。
長いシーズンを戦うための、シモーネのコンディション管理の一環なのでしょう。
ザルツブルク戦の価値
省エネをテーマにするインテルですが、今節のザルツブルク戦では大幅にターンオーバーを敢行し主力組を休ませました。
勝てば決勝トーナメント進出という、大事な試合にも関わらずです。
ターンオーバーの理由は2つありそうです。
- リーグ戦に重きを置いている
- 次の相手がベンフィカ
今シーズンの一番の目標は、セリエAで20回目の優勝をすることです。次のリーグ戦でターンオーバーしてフロジノーネに引き分け以下で終わるより、ザルツブルク戦の方がダメージは少ないと考えたのでしょう。
チャンピオンズリーグの次の相手は絶不調のベンフィカですし、最悪でも次で勝てばグループステージ突破は決まります。
ということで、インテルはザルツブルク戦でベストメンバーから4人を変更しました。
サプライズはビセックです。パヴァールの長期離脱(2ヶ月ほど)が決まったので、ビセックをセンターバックの戦力に加えたのでしょう。
そんなビセックですが、前半だけで交代したとはいえ悪くないプレイを見せていました。
攻撃参加はスムーズでしたし、ダルミアンの荒れ球の縦パスを難なくトラップして流れるように逆足でシュートした時は「うまっ!」と思いました。
愛されキャラっぽいですし、196cmの体躯はロマン(ファン・ダイクのようになってくれ)が詰まっています。
省エネな戦い方
ザルツブルク戦のインテルですが、とにかく失点しない戦い方をしていました。
引き分けでも問題ない、という考えなのでしょう。
ボールは相手に持たせて、5-3-2でブロックを作り中央を固めていました。
前半はその傾向が特に顕著で、ボール保持率(52%:48%)シュート数(7本:5本)パス成功数(232本:211本)など、ほとんどのスタッツでインテルは負けていました。
前線にテュラム置いとけばカウンターで点取れるよね?という戦い方です。
41分にゴールキーパーのゾマーのロングキックからテュラムが抜け出して、フラッテージの決定機を演出していましたが、あれが狙いだったのだと思います。
違いを見せる男たち
後半もインテルは基本的には守備第一の考え方で戦っていましたが、69分にラウタロとバレッラを投入してから明らかに潮目が変わりました。
守備時にハイプレスを行うようになり、高い位置を取ることが少なかったバストーニも前線に顔を出すようになりました。
82分にはバストーニのクロスにラウタロがヘディングで合わせて、クロスバーを叩くシュートを放っています。
ゴールの匂いが強くなってきたインテルですが、85分に先制点を奪うことに成功しました。
デ・フライのインターセプトから相手陣内にボールを運んだのをきっかけに、最後はバレッラのミドルシュートがビストルップのハンドを誘発しPKを獲得。
そのPKをラウタロがゴールキーパーの逆を突いて、しっかりと決めました。ラウタロはPKの成功率が低いイメージがあるので、蹴る時は緊張しました笑
虎の子の1点を守り切って、インテルが勝利しています。
最後に、ザルツブルクのビストルップに関してです。
彼はディフェンスラインの脇に降りてパスを引き出したり、ボールの近くに寄ってパスの出口になるなど、攻守に運動量が多くフォア・ザ・チームのプレイが目立っていました。
ディフェンスでもサボることはなかったので、終盤にハンドでPKを与えた時は改めてサッカーの残酷さを感じました。
ハイライト
試合データ
WhoScored.com・SofaScoreより引用しています。
ザルツブルグ | インテル | |
---|---|---|
0 | 得点 | 1 |
49.8% | ポゼッション | 50.2% |
14(4) | シュート(枠内) | 17(6) |
4 | ブロックされたシュート | 3 |
5 | コーナー | 5 |
0 | ビッグチャンス | 3 |
5 | GKのセーブ | 4 |
429(354) | パス(成功数) | 427(352) |
15(3) | クロス(成功数) | 20(7) |
24(15) | ドリブル(成功数) | 18(9) |
119 | ボールロスト | 131 |
59 | 競り合い勝利 | 54 |
19 | タックル | 18 |
9 | インターセプト | 6 |
21 | クリア | 20 |
ザルツブルグ | 0-1 | インテル |
---|---|---|
27' | ビセック | |
ドゥアス ウルマー | 45' | デ・フライ ビセック |
49' | チャルハノール | |
パブロビッチ | 51' | |
61' | アスラニ チャルハノール | |
69' | ラウタロ サンチェス バレッラ ムヒタリアン | |
グロフ | 75' | |
ラトコフ シミッチ | 79' | |
85' | ラウタロ | |
ドルジェレス コナテ アマンカフ グロフ | 87' | ディマルコ カルロス・アウグスト |
アイコンの説明
ゴール
イエローカード
投入
オウンゴール
レッドカード
交代
次節はフロジノーネ戦(H)
インテルが早くも、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出を決めました。
これにより、過密日程でも大胆なターンオーバーが可能になりそうです。
次はセリエAのリーグ戦に戻り、フロジノーネと対戦します。
その次はユヴェントスとのイタリアダービーが控えているので、ここはしっかりと勝ちたいですね。
2023/1/12(日) 28:45キックオフです。
では!