23-24シーズン マッチレポート

【45分のドラマ】23-24シーズン CL ラウンド16 1stレグ インテル×アトレティコ・マドリード

「13年前にここにいたときは、選手というよりファンだったが、今はチームを助け、勝利するためにここにいる。」

アルナウトヴィッチが、今シーズンにインテルへ復帰した時のインタビューで語っていた言葉です。

しかし、ここまでのシーズンでこの言葉通りとはいきませんでした。

序盤こそ良かったものの、怪我による離脱や決定機を度々外す姿を見て、ファンからの目線も厳しくなっていきました。

インテルは来シーズンのタレミの加入も決めており、アルナウトヴィッチの序列が低くなることも予想されています。

この大事なアトレティコ・マドリード戦は、アルナウトヴィッチにとって価値を示すチャンスでもありました。

フォーメーション

45分のドラマ

  • 様子見の序盤
  • プレイエリアの移動
  • モラタ投入による変化
  • 45分のドラマ

様子見の序盤

CLラウンド16の中でも、最も注目度の高い試合が始まりました。

ホームで圧倒的な勝率を誇るアトレティコは、ジュゼッペ・メアッツァでの1stレグは0-0でも良いという思惑が見えました。

対してインテルは、ホームで出来るだけ得点を取っておきたい試合です。

両者の思惑が入り混じった結果、インテルがボールを保持する展開となりました。

ただし、序盤の10分は両チーム様子見をしていたようです。

基本フォーメーションは3-5-2のアトレティコですが、ボール非保持の際は5-4-1のブロックを作ります。

グリーズマンが中盤に吸収される形で、ブロックを作る位置はミドルサードです。

DFラインへのプレッシャーは緩く、ゾマーへのバックパスに対しても深追いしません。

ブロックを作って守り、インテルの出方を伺っているようでした。

インテルとしてはあまりプレスに来ないならと、ロングボールやアーリークロスを使ってPA内にガンガンボールを入れていました。

バレッラは序盤からエンジン全開で、決定機に繋がりそうなチャンスも作っていました。

プレイエリアの移動

10分を過ぎたあたりから、アトレティコがプレスを強めてきました。

ゾマーへのバックパスに対しても、深追いするようになります。

高い位置でボールを保持されることを、嫌がったのかもしれません。

インテルからすると、好ましい状況でもありました。

ゾマーを使って、相手を引き込む疑似カウンターは十八番です。

バックパスを多用して、アトレティコを自陣に誘導していました。

12分のビルドアップ

基本的にインテルの狙いの方が、ハマっていた様に見えました。

ディフェンシブサードでボールを失ってショートカウンターを受けることもなく、相手陣内への侵入に成功していました。

しかし、シュートに繋がりそうな場面でのミスがあったりと、決定機を作るまでには至りません。

そして、30分を過ぎたあたりからアトレティコがプレスを弱めました。

疑似カウンターを受けるのを嫌がったのかもしれません。

再びインテルが、高い位置でボールを保持する時間が続きました。

この時のインテルの必殺技が、アーリークロスです。

アーリークロスを入れると、相手ディフェンダーは自陣に戻りながらの守備対応を余儀なくされます。

クリアは弱くなり、PA内にボールがこぼれる確率も高くなります。

また、エースのラウタロはピンポイントクロスに合わせる技術が世界トップクラスです。

右サイドからはバレッラやチャルハノール、左サイドからはディマルコやバストーニが高精度のキックを蹴ることができます。

35分56秒のラウタロのヘッド

モラタ投入による変化

危険なシーンを作らせていなかったインテルですが、54分のモラタの投入により流れが変わりました。

ラインブレイクが得意なモラタを警戒したのか、ディフェンスラインの重心が下がった瞬間を狙われました。

マークを外したモラタにライン間を使われて、リーノに展開されます。

ダルミアンが躱されて、デ・パウルとのワンツーでPA内に侵入されてシュートを打たれました。

シュートは外れるも、危ないシーンでした。

リーノは怖いですね。左WBながらドリブルにキレがあり、カットインからのシュートも得意そうでした。

困った時のリーノといった印象で、昔のペリシッチを思い出しました。

もう一つモラタ投入による変化が、ジョレンテが中盤に入ったことです。

走力のあるジョレンテの飛び出しで、56分44秒にピンチを迎えました。

デ・フライがモラタのしつこいプレスにより、縦パスをミスってショートカウンターを受けます。

ジョレンテが中盤から飛び出して、デ・パウルにスルーパスを通されます。

ゾマーと1対1になりかけますが、後ろからデ・フライがタックルして事なきを得ました。

モラタ投入から数分で、決定的なシーンを2回も作られました。

2ndレグはスタートからいるはずなので、気をつけたい選手です。

もう一人のアトレティコのキーマンが、グリーズマンです。

しかし、こちらはよく抑えられたと思います。

シュートは1本も打たせませんでしたし、キーパスも1本に抑えました。

恐らくフリーマン的なタスクを与えられている選手ですが、ムヒタリアンの横に頻繁に現れていました。

インテルが5-3-2のブロックを作った時の3の横で、アトレティコから見て右サイドです。

プレスを受けにくい位置だったのと、左利きなのでカットインから決定的なパスを狙っていたのでしょう。

そこまで脅威にならなかったのは、インテルがしっかり守れていた証拠でもあります。

45分のドラマ

アトレティコはモラタ投入により流れを変えましたが、インテルも後半の頭に試合の流れに影響を与えそうな交代をしています。

テュラムに代えて、アルナウトヴィッチがピッチに入りました。

しかし、この投入は正直不安のほうが大きかったです。

ここ数試合調子を上げているとはいえ、アルナウトヴィッチが何度も決定機を外す姿を見てきたからです。

残念ながら、その不安は的中したように見えました。

  • 48分5秒:綺麗な連携から送られた、ディマルコのアーリークロスをふかす。
  • 51分33秒:バレッラのアーリークロスに頭で合わせるが枠に飛ばない。
  • 62分24秒:ラウタロとのワンツーでオブラクとの1対1のチャンスを迎えるが、シュートが枠に飛ばず。

3度の決定機を外しました。

「決めろよ!!!」と、現地インテリスタのガキンチョが怒っていましたが、全く同じリアクションを家でしていました。

アルナウトヴィッチも、スタンドを見つめ死にそうな顔です。

しかし、諦めずに何度もチャンスに顔を出し続けた男が最後に報われました。

78分11秒、アウグストのロングスローから相手のミスが発生してラウタロが抜け出します。

オブラクとの1対1は決めきれませんでしたが、こぼれ球に詰めていたアルナウトヴィッチが押し込みました。

もちろん、ホームは歓喜に湧きます。

現地インテリスタのおじいちゃんは涙を流しており、グッと来るものがありました。

1点ビハインドとなったアトレティコですが、無理くり攻めてくるようなことはありませんでした。

最少失点でも構わないと踏んだのでしょう。むしろ、さらなる失点を嫌ったようです。

インテルも追加点は奪えませんでしたが、失点も許しませんでした。

アルナウトヴィッチのゴールが決勝点となり、1−0でインテルが先勝しました。

MOMはアルナウトヴィッチでした!!

ハイライト

試合データ

WhoScored.comSofaScoreより引用しています。




インテルA・マドリード
1得点0
56.1%ポゼッション43.9%
19(5)シュート(枠内)7(0)
7ブロックされたシュート1
3コーナー2
3ビッグチャンス2
0GKのセーブ4
615(536)パス(成功数)480(403)
21(6)クロス(成功数)14(2)
13(7)ドリブル(成功数)9(3)
122ボールロスト116
49デュエル勝利31
9タックル13
12インターセプト14
14クリア21
インテル1-0A・マドリード
アルナウトヴィッチ
テュラム
46'サビッチ
ヒメネス
53'エルモソ
54'モラタ
サウール
ドゥンフリース
ダルミアン
カルロス・アウグスト
ディマルコ
68'レイニウド
エルモソ
バリオス
モリーナ
フラッテージ
ムヒタリアン
72'
78'コレア
グリーズマン
アルナウトヴィッチ79'
82'サビッチ
84'モラタ
フラッテージ86'
サンチェス
ラウタロ
88'
90+2'コケ
カルロス・アウグスト90+4'

アイコンの説明

ゴール
イエローカード
投入

オウンゴール
レッドカード
交代


次節はレッチェ戦(A)

アトレティコ・マドリードとのビッグマッチに先勝しました。

しかし代償もあり、テュラムが2週間程度の離脱になると発表されました。

強度の高い試合だったので、各選手に疲労も溜まっているはずです。

次はリーグ戦に戻りレッチェと対戦しますが、ターンオーバーをしたいですね。

2024/2/25(日) 26:00キックオフです。

では!

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