インテルは23-24シーズンの公式戦で、ここまでわずかに1敗でした。
チャンピオンズリーグでは早々に決勝トーナメント進出を決め、リーグ戦では2位ユヴェントスと勝ち点4差をつけて首位を走っています。
順風満帆に歩んでいるように見えますが、12月9日のウディネーゼ戦に快勝したあと指揮官のシモーネはこう言いました。
「落とし穴はすぐそこにある」
フォーメーション
落とし穴はすぐそこに
- ボローニャの可変型3バック
- 足りない決定力
- PKだけが下手なエース
- 落とし穴はすぐそこにある
ボローニャの可変型3バック
インテルの黄金期を知るチアゴ・モッタ監督が率いるボローニャは、リーグ戦で4位とサプライズを起こしているチームです。
インテルも第8節では、このチームに勝ち切ることができずドローで終わりました。
そんなボローニャですが、かなり特殊な形でビルドアップを行っていました。
基本は4-2-3-1なのですが、後ろからボールを繋ぐ時にセンターバックの片方が一列上がって、3バックになるのです。
ダブルボランチの一角であるモロは、比較的高い位置を取っていました。
センターバックが一列上がることにより、インテルの選手のマークを撹乱。
ボランチのモロが高い位置を取ることで、前線へのパスコースを増やす狙いがあったのかもしれません。
試合を通じてこの形を繰り返していたため、ボローニャの基本戦術になっていそうです。
足りない決定力
前述のように特殊な形でビルドアップを行っていたボローニャですが、その戦術によってインテルが苦戦するシーンは少なかったです。
逆に後方から繋いで来た時に、高い位置からのプレスがハマって、ショートカウンターからビッグチャンスも作れていました。
しかし最後の決定力が足りず、ゴールが決まりませんでした。
53分にゴール前でアルナウトビッチがシュートをふかしたシーンは、せめて枠に飛ばして欲しかったです。
アルナウトビッチはこの試合で、主にポストプレイの役割を担っていました。
最低限その役割は果たしており、バイタルエリアで時間を作ってくれるポストプレイは効果的でした。
しかし、フォワードに最も必要な決定力に物足りなさがあります。
ここまで怪我もあったとはいえ、公式戦で1ゴールのみ。サンチェスと合わせても3ゴールです。
ジェコの代役としての役割を期待していましたが、現状ではそこまで結果を残せていません。
(サンチェスもですが)ラウタロとテュラムを、安心して休ませられるくらいの活躍を期待したいです。
PKだけが下手なエース
中々ゴールを決められないインテルですが、65分にビッグチャンスが訪れました。
CKの流れからコラッツァが、ペナルティエリア内でハンドを犯してPKを獲得。
キッカーはエースであり、キャプテンのラウタロです。
一抹の不安を感じながら見ていると、ラウタロのシュートはゴールキーパーにセーブされました。
最近は比較的決めていましたが、ラウタロはやはりPKが下手ですね...
蹴る直前にラバーリアが右に飛ぶフェイントを見せたので、恐らく逆に蹴ったのでしょうが相手の思う壺でした。
コースも甘く、こぼれ球を押し込むこともできず。
このPK失敗が響き、試合は90分で決着がつきませんでした。
本来お休みを与えたかった主力組も、続々と投入されます。
落とし穴はすぐそこに
散々チャンスを逃していたインテルですが、先制点は延長が始まってすぐに決まりました。
92分にディマルコのコーナーキックに合わせて、カルロス・アウグストがヘディングを叩き込みました。
カルロス・アウグストは、インテルでの初ゴールです。
正直あと5分早く決めっていれば延長がなかったのに、と思ってしまいました...笑
とはいえこれで先制です。
最近のインテルならこれで勝てるだろう。疲労が残ったのは残念だな、くらいに考えていました。
戦っている選手たちにそんな慢心があったかは分かりませんが、落とし穴はすぐそこにありました。
まず112分にコーナーキックから、ベウケマに押し込まれて同点に追いつかれます。
アウデーロがクロスボールに釣られて、ゴール前をがら空きにしてしまいました。
うわPK戦だるいなーと考えていると、116分にまさかの逆転弾を喰らいました。
アチェルビがザークツィに躱されると、エンドイエにスルーパスを通されます。
エンドイエは飛び出したアウデーロを躱すようなチップキックを蹴り、バレッラの戻りも虚しくボールはゴールラインを割りました。
たらればを言っても仕方ありませんが、バレッラやカルロス・アウグストが戻っていたため、アウデーロは飛び出さずに我慢して欲しかったです。
まさかの逆転負けを喫して、インテルのコッパ・イタリア3連覇の夢は潰えました。
ハイライト
試合データ
SofaScoreより引用しています。
インテル | ボローニャ | |
---|---|---|
1 | 得点 | 2 |
56% | ポゼッション | 44% |
21(6) | シュート(枠内) | 7(2) |
6 | ブロックされたシュート | 0 |
12 | コーナー | 1 |
3 | ビッグチャンス | 1 |
0 | GKのセーブ | 5 |
719(613) | パス(成功数) | 576(485) |
32(6) | クロス(成功数) | 15(5) |
12(6) | ドリブル(成功数) | 14(5) |
168 | ボールロスト | 148 |
54 | 競り合い勝利 | 43 |
20 | タックル | 13 |
13 | インターセプト | 9 |
8 | クリア | 42 |
インテル | 1-2 | ボローニャ |
---|---|---|
41' | リコヤニス | |
58' | ホイドンク | |
69' | アズージ モロ | |
ディマルコ バストーニ バレッラ クラーセン テュラム アルナウトビッチ | 74' | |
76' | デ・シルベストリ コラッツァ | |
センシ アスラニ | 83' | |
85' | エンドイエ サーレマーカース ザークツィ ホイドンク | |
88' | ファビアン | |
ビセック | 90+4' | |
パヴァール ビセック | 90' | |
カルロス・アウグスト | 92' | |
ムヒタリアン ラウタロ | 99' | カラフィオーリ ルクミ |
ダルミアン | 100' | |
パヴァール | 103' | |
バレッラ | 109' | |
112' | ベウケマ | |
116' | エンドイエ |
アイコンの説明
ゴール
イエローカード
投入
オウンゴール
レッドカード
交代
次節はレッチェ戦(H)
公式戦16試合ぶりの敗戦で、インテルの3冠の夢は早くも潰えました。
120分戦った上に敗戦と残念な結果になりましたが、ポジティブに捉えれば過密日程が緩和されるというメリットがあります。
大事なのは、この敗戦を引きづらないことです。
ここでテンションを落とさずに、次のレッチェ戦でしっかりバウンスバックして欲しいですね。
2023/12/23(土) 26:00キックオフです。
では!