インテルは今年の夏に、多くの主力選手と決別しました。
ブロゾビッチやハンダノビッチを始め、オナナやジェコ(ル○クとシュクリニア○)など一部を除いて辛い別れも多かったです。
代わりにゾマーやパヴァール、テュラムなどの新戦力を加えたものの、フィットするまで多少の時間が必要かと思っていました。
しかし、蓋を開けるとそんな心配は吹っ飛びました。
開幕から5連勝を達成すると、14節を終えた時点で33得点7失点と完成度の高いサッカーで首位を走っています。
そして迎えた今節は、まだ今シーズン1勝のみで低迷気味のウディネーゼと対戦しました。
フォーメーション
これぞ首位チーム
- ウディネーゼは安全第一
- 7分間のインテルの猛攻
- 諦めムードのウディネーゼ
- ビセックの可能性
ウディネーゼは安全第一
リーグ戦で11節のミラン戦以外は勝ち星のないウディネーゼは、首位インテルを迎え撃つにあたり「とにかく失点しない守備」を行っていました。
3-4-1-1が基本フォーメーションですが、守備時は5-3-2でブロックを作ります。
ディフェンスラインへのプレスはあまり行わず、ブロックを固めて不要なスペースを作らないように守っていました。
そのためボールを支配したのは、インテル(最終的に74.3%の保持率を記録)でした。
インテルとしては固まって守る守備を崩して、得点を奪う必要があります。
そこで狙ったのが、今夏にインテル移籍が破談になったサマルジッチのスペースでした。
ウディネーゼの2トップはチャルハノールへのパスコースを背中で消しながら、アチェルビとビセックをマークします。
そして余ったバストーニをマークするのが、インサイドハーフに入ったサマルジッチでした。
サマルジッチがプレスをかけることによって、ムヒタリアンがフリーになります。
そのムヒタリアンを経由しながら、相手のマークをずらして左サイドを崩すパターンがよく見られました。
7分7秒と21分26秒にバストーニがクロスを上げたシーンでは、その狙いがよく現れていました。
7分間のインテルの猛攻
インテルは圧倒的に支配しながらも、最後の所でゴールが決まらない時間帯が続きました。
このような試合では、カウンターで蜂の一刺しを喰らい敗北というパターンがままあります。
そのような事態を避けるためにも、早めの得点が欲しい状況でした。
その願いが通じたのか、エースであるラウタロが得点機を演出します。
ディマルコのアーリークロスに合わせようとしたラウタロが、ペナルティエリア内でペレスに引っ張られて倒されました。
一度は流されましたが、VARの結果PKを獲得。
このPKをチャルハノールがきっちりと決めて、37分に先制点を奪いました。
待望の先制点から5分後、ディマルコが追加点を奪います。
PA手前の混戦からチャルハノールがボールを拾って、ペナルティエリア内のディマルコにラストパスを送ります。
ディマルコはダイレクトでシュートを放ち、サイドネットを揺らしました。
そしてそして、さらに2分後にテュラムが3点目を奪いました。
左サイドで押し込んでから、ディマルコが後ろにボールを戻します。
そのボールをダイレクトでムヒタリアンがペナルティエリア内に送り、ディフェンダーの裏を取ったテュラムがゴールに押し込みました。
7分間で3点を奪う猛攻を見せました。
諦めムードのウディネーゼ
後半に入り、3点を追いかけるウディネーゼが守備を捨てて得点を奪いに来る。と思っていたのですが、そんな事はありませんでした。
守備のやり方は前半と変わらず、基本的にブロックを作って守る消極的な姿勢でした。
前半と変わったことといえば、フィジカル系ウィングバックのエボセールが単騎で仕掛ける回数が増えたことです。
ただそれくらいの変化では、インテルが慌てることはありませんでした。
後半もインテルが、ボールを支配する展開となります。
ボールを保持しながら隙あらば4点目を狙う形で、上手く時間を消費していきました。
そして84分に、ゴールを欲しがっていたラウタロにご褒美が生まれました。
ラウタロがパスミスでボールを失うも、自らの守備で取り返します。
そのままドリブルで運んで、ペナルティエリア手前からシュートを放ちゴールに突き刺しました。
アルナウトビッチも外側にディフェンダーを引き付けて、ラウタロのシュートコースを空けていましたね。
そして試合は終了して、インテルが2連勝で首位をキープしました。
ユヴェントスがしぶといので、このペースで勝点を積み上げていきたいですね。
ビセックの可能性
バストーニは復帰しましたが、パヴァールとデ・フライが怪我で離脱しており、センターバックの駒が薄くなっています。
そこで、今節は期待の新人であるビセックを先発で起用しました。
これまでの何試合か見ていると、ビセックは守備に不安が残るも攻撃センスは高そうでした。
この試合では上手くその特徴がハマって、効果的な攻撃参加を見せていました。
狭いスペースを股抜きで突破したり、バレッラへのスルーパスや状況を見たポジショニングなど、レビュラー組に混ざっても問題なく試合に入れていました。
196cmの巨体でありながら足元の技術はしっかりしており、左足も問題なく使えるようです。
ボールを支配していたこともあって、守備の不安もありませんでした。
五分五分の相手では不安が残りますが、今節のように相手を圧倒できる場合は、ビセックの攻撃参加はかなりの武器になりそうです。
大事に育てて、将来的な主力になって欲しいですね。
ハイライト
試合データ
WhoScored.com・SofaScoreより引用しています。
インテル | ウディネーゼ | |
---|---|---|
4 | 得点 | 0 |
74.3% | ポゼッション | 25.7% |
17(8) | シュート(枠内) | 11(1) |
3 | ブロックされたシュート | 6 |
6 | コーナー | 1 |
4 | ビッグチャンス | 1 |
1 | GKのセーブ | 4 |
789(737) | パス(成功数) | 276(225) |
32(7) | クロス(成功数) | 5(3) |
14(7) | ドリブル(成功数) | 21(14) |
104 | ボールロスト | 99 |
37 | 競り合い勝利 | 41 |
18 | タックル | 15 |
6 | インターセプト | 11 |
6 | クリア | 25 |
インテル | 4-0 | ウディネーゼ |
---|---|---|
13' | フェレイラ | |
チャルハノール | 37' | |
ディマルコ | 42' | |
テュラム | 44' | |
カルロス・アウグスト バストーニ アルナウトビッチ テュラム | 56' | |
62' | ロブリッチ サマルジッチ クリステンセン エボセール | |
クアドラード ディマルコ アスラニ チャルハノール | 71' | |
75' | トヴァン ルッカ | |
センシ ムヒタリアン | 79' | |
ラウタロ | 84' | |
86' | エヒジブエ ゼムラ ザラガ パジェロ |
アイコンの説明
ゴール
イエローカード
投入
オウンゴール
レッドカード
交代
次節はレアル・ソシエダ戦(HA)
ウディネーゼを寄せ付けず、インテルが首位をがっちりキープしました。
次節はレアル・ソシエダと、チャンピオンズリーグのグループステージで対戦します。
インテルは勝てば首位通過が決まるため、過密日程の中で主力をどこまで使うのか気になりますね。
2023/12/12(火) 29:00キックオフです。
では!