過去にプロ野球の楽天の監督を務めた野村克也監督は「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」と述べています。
負けには必ず理由があるという教訓を含んだ言葉ですが、今節のインテルは不思議の勝ちを経験しました。
特に90分を過ぎてからは、インテルファンの感情をジェットコースターのように揺さぶる攻防でした。
新年早々、年1回見れるかどうかの試合をしてくれましたね。
2024年は波乱の年になりそうです。
フォーメーション
運も実力の内
- 順調な試合運び
- 交代策が見事に裏目に
- 焦って攻めるインテル
- 半ケツのヒーロー
順調な試合運び
ヴェローナの基本フォーメーションは4-2-3-1でした。
攻守でフォーメーションを可変する、ということもなかったです。
ロングボールを選択することが多く、ワントップに入った199cmのジュリッチをターゲットにしていました。
ジュリッチは試合を通じて、空中戦の勝利数8回を記録しました。
ジュリッチに対しては、中央のセンターバックに入ったアチェルビがタイトにマークして、自由を与えていませんでした。
相手のキーマンを潰すことで、インテルが主導権を握ってゲームを進めることができました。
そして、13分に幸先よく先制に成功します。
テュラムがコッポラを背負いながら、バストーニの縦パスをムヒタリアンに落とします。
後ろから飛び出したムヒタリアンがバイタルエリアまで運んで、ラウタロにラストパス。
モンティポの意表を突くアウトサイドのシュートで、ラウタロがゴールを奪いました。
バストーニがボールを持った時に、カルロス・アウグストとムヒタリアンが一旦下がって、テュラムとコッポラが1対1になる状況を作ったのが良かったです。
最後は綺麗なパスワークで、先制点に繋げましたね。
先制後もインテルは、ヴェローナのプレスをいなしながらボールを回し主導権を握っていました。
追加点こそ奪えなかったものの、ピンチを迎えることもなくパーフェクトに近い前半でした。
先発復帰したパヴァールも安定感のある守備で相手の攻撃の芽を潰していて、クオリティの高さを感じました。
交代策が見事に裏目に
後半に入っても、しばらくはインテルが順調に試合を進めていました。
潮目が変わったのは、シモーネが交代を決断した直後です。
73分にテュラムとアウグストを下げて、アルナウトビッチとディマルコを投入しました。
すると、その1分後に失点してしまいました。
バストーニの縦パスをアルナウトビッチが収められず、簡単にマニャーニに潰されます。
カウンターを受けて、ドゥダのクロスをアンリに流し込まれました。
アルナウトビッチは、投入直後に失点に絡んでしまいました。
Se qualcuno riesce a vedere arnautovic che si aiuta con le mani mi faccia sapere 🤷♂️🤷♂️ pic.twitter.com/QF7DrxkyGX
— zhang l’immortale (@TuttiZangh) January 6, 2024
焦って攻めるインテル
昨年末のジェノア戦でのドローが頭をよぎったのか、失点後のインテルには明らかに焦りが見えました。
それまでは、相手を引き付けながらパスを回して丁寧にゴール前に迫っていたのですが、とにかく前線に早くボールを入れるようになりました。
しかし単調な攻めになってしまい、ヴェローナに弾き返されるシーンが続きます。
また例によって、相手の時間稼ぎもありインテルの選手のフラストレーションも溜まっていきました。
その中でも何度かチャンスを迎えましたが、ここでもアルナウトビッチが酷かったです。
クロスのこぼれ球にタイミングが合わず押し込めなかったり、ヘディングで押し込むだけのチャンスで空振ったり、カウンターの絶好期を不要なファウルで潰したり...
30分足らずの間に、何度も失望させられました。
技術的な失敗だけならまだしも、イライラして不要なファウルで何度もチームの足を引っ張っていたのがしんどかったです。
試合後にラウタロがアルナウトビッチを擁護していましたが、後半戦に掌返しをさせてくれるような活躍に期待したいです。
半ケツのヒーロー
同点のまま90分を過ぎてドローで終わるかと思われましたが、最後にドラマが待っていました。
92分にディマルコが入れたアーリークロスのこぼれ球を、バストーニがダイレクトボレー。
クロスバーに跳ね返ったボールをバレッラがダイレクトでミドルシュートを放ち、モンティポがこぼしたボールをフラッテージが押し込みました。
喜びを爆発させたフラッテージは、サポーターの下までダッシュしてフェンスを登ります。
その際にズボンが脱げて(脱がされて?)、半ケツ状態になっていましたw
DAVIDE FRATTESI pic.twitter.com/2VcasBp7za
— Sul carro di Spiaze 🍋 (@CarroSpiaze) January 6, 2024
フラッテージの劇的な勝ち越し弾で勝利、かと思ったらまだドラマが残されていました。
クロスのこぼれ球をクリアする際に、ペナルティエリア内でダルミアンが相手の足を蹴った様でヴェローナにPKが与えられます。
厳しい判定に見えましたが...
絶体絶命のピンチでしたが、アンリが放ったシュートはポストに嫌われました。
こぼれ球も相手が押し込めず、最後のピンチを凌ぎました。
PKの前にフラッテージがペナルティスポットの芝を削っていたのが、影響したのでしょうか。
Frattesi with a double vs Verona!pic.twitter.com/NbFaMOogLE
— F.C. InterData (@Fcinterdata) January 6, 2024
だとすると、フラッテージのファインプレイですね。
最後に色々あって感情が追いつかなかったですが、2-1でインテルが勝利しました。
運も実力の内、ということですかね。
ハイライト
試合データ
WhoScored.com・SofaScoreより引用しています。
インテル | ヴェローナ | |
---|---|---|
2 | 得点 | 1 |
61.5% | ポゼッション | 38.5% |
15(6) | シュート(枠内) | 8(3) |
1 | ブロックされたシュート | 1 |
7 | コーナー | 0 |
4 | ビッグチャンス | 3 |
2 | GKのセーブ | 4 |
511(426) | パス(成功数) | 317(236) |
23(7) | クロス(成功数) | 19(7) |
13(5) | ドリブル(成功数) | 7(4) |
138 | ボールロスト | 127 |
50 | 競り合い勝利 | 55 |
14 | タックル | 14 |
6 | インターセプト | 5 |
9 | クリア | 20 |
インテル | 2-1 | ヴェローナ |
---|---|---|
ラウタロ | 13' | |
46' | ラゾビッチ ムブラ | |
ダルミアン ドゥンフリース | 61' | |
ディマルコ カルロス・アウグスト アルナウトビッチ テュラム | 73' | カバル ドイグ アンリ ジュリッチ |
74' | アンリ | |
77' | コッポラ | |
78' | ススロフ | |
フラッテージ ムヒタリアン サンチェス パヴァール | 83' | |
87' | カロン ヌゴンジュ | |
91' | キャリス ススロフ | |
フラッテージ | 93' | |
95' | ラゾビッチ |
アイコンの説明
ゴール
イエローカード
投入
オウンゴール
レッドカード
交代
次節はモンツァ戦(A)
90分過ぎにドラマチックな勝ち越し弾で、インテルが冬の王者に輝きました。
次節は難敵モンツァと対戦します。
2024/1/13(土) 28:45キックオフです。
では!