ユーロ2020もグループステージを終えて、決勝トーナメントが始まりました。
グループAを3連勝で終えたイタリアは、グループCを2位で突破した、オーストリアと対戦です。
結果の方は、2-1でイタリアが勝利しました!
延長線までもつれる展開となりましたが、何とか逃げ切りに成功しています。
オーストリアも完成度の高いチームでした。やはり、決勝トーナメントまでいくと、簡単ではないですね。
ハイライト
マッチレポート
試合データ
WhoScored.comより引用しています。
イタリア | オーストリア | |
---|---|---|
得点 | 2 | 1 |
ポゼッション | 51.4% | 48.6% |
シュート(枠内) | 27(6) | 16(3) |
パス | 667 | 621 |
クロス | 12 | 14 |
コーナー | 4 | 3 |
シュートブロック | 4 | 9 |
タックル | 18 | 33 |
拮抗した試合となりました。
延長で2点奪ったイタリアですが、終盤のオーストリアの猛攻も迫力がありましたね。
身長2mのカライジッチを中心としたパワープレイは、見応えがありました。
ヴェラッティがスタメン復帰
グループステージでは、第3戦しか出場しなかったヴェラッティですが、決勝トーナメントでスタメン復帰しました。
印象的な活躍を見せていたロカテッリは、ベンチスタートです。
キックオフ直後から、お互い激しくぶつかり合っていました。
主導権を握らせまいと、攻守が激しく入れ替わります。
イタリアは、これまでに見せてきたように、スピナッツォーラが高い位置を取る、3バックで攻めていました。
ヴェラッティとジョルジーニョは低い位置から組み立て、バレッラは高い位置を取り、前線とのリンクマンになります。
バレッラからインモービレへのスルーパス、というシーンはこの試合、何回かありました。
インモービレは、常に相手の背後を狙っていましたね。
ゴールには繋がりませんでしたが、DFラインに、プレッシャーをかけ続けていました。
カウンターから、味方のワンタッチパスに反応して、DFラインを破るシーンもありましたが、高いバウンドのボールを処理しきれず、アラバにカットされました。惜しかったです。
オーストリアは、クルニッチを中心にボールを回していました。
細かいパス回しで、イタリアのプレスを上手く回避します。
ただ、15分を過ぎた辺りから、イタリアがボールを持ち始めました。
そして、決定機を作ります。
スピナッツォーラの仕掛けから、クロスがマイナスに流れて、バレッラがアウト気味のシュート。バッハマンが足で弾きました。
惜しかったですね。前半は、スピナッツォーラの仕掛けから、チャンスを作るシーンが目立っていました。
対するオーストリアも、チャンスを作ります。
ザビッツァーがラフに裏のスペースに出したボールを、アルナウトビッチが拾ってミドルシュート。これは枠を外れました。
アルナウトビッチは、自分はメッシやC・ロナウドに引けを取らないと豪語していましたが、そこまでではないにしても、良い選手ではありますね。
先日、ゴール後の侮辱発言で出場停止となっていましたが。
アルナウトビッチの落としから、3対2という状況も作っていました。これは、味方のスルーパスが大きくなり、ドンナルンマに止められています。
一進一退の攻防が続く中、インモービレが目の覚めるような一発を放ちます。
PA手前で受け、反転してミドルシュート。鋭く落ちたボールが、ポストを叩きました。
グループステージ第2戦でも、もの凄いミドルを決めていましたが、シュート精度がえげつないですね。
前半は、お互いチャンスを作りますが、得点を奪えず終了です。
主導権を握るオーストリア
前半は、試合を優位に進めたイタリアですが、後半はオーストリアにチャンスを作られていました。
ボヌッチがロングボールをトラップミスして、アルナウトビッチに拾われます。そのままドリブルで運び、PA内でシュートを放ちますが、枠を外れました。
ボヌッチの珍しいミスでしたね。
続くシーンでは、イタリアが自陣から繋ごうとした所を奪われて、バレッラがゴール前でファウル。このFKをアラバが蹴りますが、ゴール上に外れました。
イタリアは、オーストリアのプレスに苦しみます。
また、前半は目立ったスピナッツォーラの仕掛けも、止められるようなっていました。
何回か対峙して、ライナーも慣れてきたのでしょうか。
しかし、オーストリアがプレスを強めたことで、背後のスペースが空くようになってきました。
その影響もあったのか、イタリアがワンタッチで回すシーンが増えます。
インモービレの落としから、ヴェラッティがスルーパスを出し、インシーニェが抜け出します。
逆サイドを走っていたベラルディにパスしますが、勢いが足りずアラバにカットされました。
楔のパスから、見事な連携でチャンスを作りましたね。
この試合、インシーニェが左サイドで裏を取るシーンが何回かありましたが、一旦ボールを止めて、右足でクロスやシュートに繋げることが多かったです。
左足があまり得意ではないのでしょうか。
オーストリアが勢いに乗る中で、得点を奪います。
アーリークロスをアラバが頭で折り返し、アルナウトビッチがヘディングで合わせて、ドンナルンマを破りました。
しかし、VARの結果アルナウトビッチのオフサイドで、ゴール取り消しです。
窮地を救われたイタリアは、流れを変えるため中盤を交代します。
ヴェラッティとバレッラに代えて、ロカテッリとペッシーナを投入しました。
すると、早速その2人でチャンスを作りました。
ペッシーナが、後ろからのパスをターンで2人躱し、PA手前のロカテッリに渡します。
ロカテッリはトラップした後に、反転してミドルシュート。枠を外れました。ペッシーナがいきなり魅せてくれましたね。
ただ、どちらも得点を奪えないまま、時間が過ぎていきます。
延長戦も視野に入る中、イタリアが決定機を作りました。
スピナッツォーラが縦に仕掛けてクロス。ファーでフリーとなったベラルディが、ボレーシュートを放ちますが、枠を外れました。
ベラルディはこの試合、良い所がなかったですね。直後にキエーザと交代しました。
結局、得点は生まれず、延長線に突入しました。
延長線突入
決勝トーナメント初戦から、いきなり延長線に突入しました。
最初のチャンスはイタリアに訪れます。
PA手前で、ベロッティに縦パスが入り、キエーザに渡します。
ワントラップして、右足のシュートを放ちますが、GKに止められました。
いい形で縦パスが入り始めましたね。
そして、楔のパスからようやくイタリアに得点が生まれました。
縦パスが、中に入っていたスピナッツォーラに通ります。相手から遠ざかりながら、右足でクロスを上げ、ゴールポスト付近でフリーとなった、キエーザに通りました。
胸トラップが大きくなったかに見えましたが、ギリギリでもう一回触って、戻ってきたオーストリアの選手を1人躱し、左足のシュート。
ゴール左に決まりました。
キエーザは決定力がありますね。素晴らしいゴールでした。
オーストリアの選手は、ニアに入ったペッシーナに引っ張られてしまいました。
勢いに乗るイタリアは、更にチャンスを作ります。
ゴールから少し遠い所でFKを獲得し、インシーニェがキッカーを務めます。
巻くように放ったシュートは、ゴール左上に吸い込まれますが、GKが弾きました。惜しかったです。
そして、このCKの流れからゴールが生まれました。
インシーニェがサイドから、ゴール前のアチェルビに鋭いパス。相手を背負いながら、ペッシーナに繋ぎます。
ワンタッチでボールをずらして、左足のシュートを放ち、ゴール右に決めました。
大きな追加点です。ペッシーナが良いポジションにいますね。アラバはがっくりと肩を落とします。
窮地に陥ったオーストリアは、パワープレイを仕掛けてきました。
アルナウトビッチに代わって入っていた、2mの長身FWカライジッチ目掛けて、ロングボールを送り込みます。
延長後半開始直後には、パワープレイから交代で入ったシャウプが強烈なミドルシュートを放ちますが、ドンナルンマが素晴らしい反応でセーブしました。
なりふり構わず攻めるオーストリアに、遂に1点が生まれます。
CKから、カライジッチがニアでそらし、ゴールに吸い込まれました。
2mの長身FWですが、低い位置で合わせましたね。ドンナルンマも間に合いませんでした。
その後も、オーストリアのパワープレイが続きますが、イタリアがしのぎ続けます。
イタリアも、追加店のチャンスはありましたが、決めきれません。キエーザが裏に抜けて、GKをループで躱すも、戻ってきたDFにクリアされていました。
しかし、何とか逃げ切りに成功です。
決勝トーナメント1回戦突破を決めました。
選手レビュー
MOMはアチェルビ
WhoScored.comによる、MOMはアチェルビでした。
バストーニ先発を期待していた私としては、複雑な気持ちですが、安定したパフォーマンスを見せていました。
ペッシーナへのアシストも決めています。
クリア5回、インターセプト4回はチームトップの数字ですし、空中戦勝利数4回、タックル2回も決めています。
キエッリーニの代役として、余りある活躍でした。
これは、バストーニの出場機会は、ないかもしれませんね。
先制点を決めたキエーザ
84分に投入されたキエーザですが、延長線で見事な先制点を奪っています。
縦への推進力がありますし、左右どちらの足でも、ゴールを奪うことができます。
ベラルディがあまり良くなかったため、次は先発されるかもしれませんね。
キエーザが交代で出てくる怖さもありますが。
ラッキーボーイのペッシーナ
1点目は、ゴール前に入ることで、アラバを引っ張り、キエーザをフリーにしていました。
そして、2点目は、ゴール前に侵入して、自らゴールを奪っています。
ペッシーナは、ポジショニングが素晴らしいですね。
トーナメント初戦で、いきなりラッキーボーイぶりを見せてくれました。
今後も、いい場面での活躍を期待しています。
決勝トーナメント1回戦突破
1回戦を突破したイタリアは、次はFIFAランク1位のベルギーと当たります。
ベルギーは、前回ユーロを制したポルトガルを倒して、2回戦突破を決めています。
イタリアの真価が問われる試合となりそうですね。
2021年7月3日(土) 4:00 キックオフとなります。
ユーロは、WOWOWの独占放送です。
では!