ユーロ2020も遂に決勝まで来ました。
初優勝を目指すイングランドと、53年ぶりの優勝を目指すイタリアが対戦です。
結果は、PK戦の末イタリアが勝利!!
大会を通じてイタリアを応援していましたが、まさか本当に優勝するとは!
マンチーニも男泣きしていました。キエッリーニとボヌッチも、やっと報われましたね。
ドンナルンマのPKストップも、神懸かっていました。
バレッラとバストーニおめでとう! イタリアの団結力が素晴らしかったです。
ユーロが終わるのは寂しいですが、最高の結果で幕が降りました。
ハイライト
マッチレポート
試合データ
WhoScored.comより引用しています。
イタリア | イングランド | |
---|---|---|
得点(PK戦) | 1(3) | 1(2) |
ポゼッション | 65.4% | 34.6% |
シュート(枠内) | 19(6) | 6(2) |
パス成功数 | 726 | 319 |
クロス | 21 | 15 |
コーナー | 3 | 5 |
シュートブロック | 1 | 4 |
タックル | 27 | 15 |
開始2分で先制したイングランドは、ドン引きして守っていました。
前半は、ボールを持たされていたイタリアですが、後半に戦術を変更して同点に追いついています。
個人的なレビュー
入念な準備でイタリア対策を立てたイングランドと、後半の修正力で流れを引き寄せたイタリアという印象でした。
同点に追いつかれてからのイングランドは、後手後手に回っていました。PK戦ではキッカー用に投入したラッシュフォードとサンチョが外し、5人目のキッカーを任せたサカが失敗。結果論とはいえ、サウスゲイトは采配に難がありそうですね。
前半はイングランドの狙いがピッタリとハマっていました。
3バックにして、イタリアのハイプレスに対するパスコースの確保。ケインが下がって受けることによる、マークの分散。
また、両WBが高い位置を取ることによって、マークにつくインシーニェとキエーザに低い位置を取らせ、カウンターを未然に防いでいました。
押し込まれた際も、ケインが自陣まで戻りブロックを形成。コンパクトに守り、スペースを全く与えません。
また、イタリアの強みである左サイドのポジションチェンジに対しても、5バックの右2人であるトリッピアーとウォーカーが混乱することなくマークしていました。
イタリアは苦戦する中、1人気を吐いていたのがキエーザです。単独突破でチャンスを作っていました。
後半にはキエーザの突破を軸にするため、自陣まで下がっていた両WGを前に残すよう守っていました。
イングランドのWBには、恐らくバレッラとヴェラッティが対応します。
さらに、インシーニェを1トップに持っていき、キエーザを左サイドに配置。
また、押し込んだ際にはキエッリーニも前線まで上げて、5バックの前に人を並べていました。
そして、CKから同点ゴールです。
同点にされて、後手に回るイングランドは4バックに変更。イタリアの左サイドを捕まえ切れなくなっていました。
しかし、キーマンのキエーザがウォーカーと接触して負傷交代。
両チームとも攻め手を欠き、後半終了となります。延長線も終えてPK戦となりました。
5人目のジョルジーニョがまさかの失敗となりますが、ドンナルンマが神懸り的なセーブでサカのPKをストップして優勝を決めました。
前半
先制点は、開始2分に生まれました。
ショーが起点となり、下がったケインに渡して逆サイドに展開。イタリアのスライドが遅れ、トリッピアーは余裕を持ってクロス。
(この際、大外のレーンをウォーカーがオーバーラップして、エメルソンを引きつけていました。)
ゴール前まで上がっていたショーが、フリーでフィニッシュです。
開始早々にマグワイアがバックパスをミスってCKにしていた時は、イングランドの緊張による固さを感じたのですが…
そこからイングランドは、かなり引いて守っていました。ケインも下がって、コンパクトにブロックを形成します。
前4枚で壁を作り、中央へのパスコースは遮断。スペースを消されたイタリアは、イングランドの選手を動かすのに苦労していました。
唯一可能性を感じたのが、キエーザの単独突破です。
センターサークル付近でライスを剥がして、ドリブルで持ち運び、左足で放ったミドルシュートは惜しかったです。わずかにゴール左に外れました。
イングランドペースのまま前半は終了です。
後半
後半イタリアは主導権を握るため、守備時両WGに高い位置を取らせていました。
また、後半の早い時間にインモービレとバレッラに代えて、ベラルディとクリスタンテを投入。
インシーニェが1トップでキエーザが左、クリスタンテは高い位置を取り、イングランドの5バックの前に人を並べていました。
キエーザが左に来たことで、カットインして利き足でシュートを打つことができます。
怪物ウォーカーにも臆することなく、積極的にドリブルを仕掛けてきました。
また、インシーニェが0トップの形で中盤まで下りてくることにより、空いたスペースをキエーザに使わせようという意図が見えました。
そして、遂に同点ゴールを奪います。
CKからゴール前でキエッリーニが潰れて、フリーのヴェラッティがヘディングシュート。これは止められますが、ボヌッチがこぼれ球を押し込みました。
キエッリーニとボヌッチのおじさんコンビが絡んだ得点です。
こうなると、分があるのはイタリア。攻勢を強め、ゴール前に迫ります。
しかし、イタリアを引っ張っていたキエーザがウォーカーと接触して負傷交代。勢いが落ちてしまいました。
そこからお互いペースダウンして、延長戦に入ります。
延長戦
PK戦に自信を持つイタリアは、失点しないことを第一に考えているようでした。
インシーニェも下がって、ベルナルデスキ、ベロッティ、ベラルディとなった3トップでは正直点を取れる気がしません。
ペッシーナがいてくれれば得点の匂いもしましたが、ロカテッリとクリスタンテを投入しているため代えられず。
PK線も考えると、流石にジョルジーニョとの交代はできません。
対するイングランドは、伝統的にPK戦に弱いです。延長戦で決めたかったのでしょうが、イタリアの堅守に苦しみます。
スターリングが突破して、PA内でこけますがPKは取ってもらえませんでした。
お互い決定的なチャンスは生まれず、延長戦も終了。
サウスゲイトは終盤にPK要員として、ラッシュフォードとサンチョを投入していました。
PK戦
イタリア | 結果 | イングランド |
---|---|---|
ベラルディ | ○ - ○ | ケイン |
ベロッティ | ☓ - ○ | マグワイア |
ボヌッチ | ○ - ☓ | ラッシュフォード |
ベルナルデスキ | ○ - ☓ | サンチョ |
ジョルジーニョ | ☓ - ☓ | サカ |
イングランドは、PKのために投入したラッシュフォードとサンチョが失敗。重要な5人目には、19歳のサカを選択して失敗。
サウスゲイトの采配に疑問符をつけざるを得ない結果となりました。
ラッシュフォードは、蹴る前に間を取りすぎて雰囲気に呑まれている感がありました。
逆にイタリアは、ジョルジーニョがまさかの失敗となりますが、ドンナルンマのセーブで優勝。ジョルジーニョの失敗に衝撃を覚え、一瞬状況が理解できませんでした。
選手レビュー
MOMはボヌッチ
WhoScored.comによるMOMは、2試合連続でボヌッチです。
序盤の失点以降は、イングランドの攻撃をシャットアウト。
スターリングの突破やシミュレーションにも、落ち着いて対応していました。
そして、後半には貴重な同点ゴールを奪っています。
試合前に「若者対おじさん対決」と自虐していましたが、おじさんらしい老獪なプレイで勝利に貢献しました。
キエッリーニと共に、イタリア代表として主要大会で初のタイトル獲得となっています。
流れを引き寄せたキエーザ
得点こそ決められなかったものの、イタリアの攻撃を引っ張っていたのは間違いなくキエーザです。
前への推進力と高いシュート意識。前半の閉塞感の中、唯一可能性を感じさせてくれました。
ウォーカーとの一対一は、ものすごい迫力でしたが残念ながら負傷交代。
怪我が長引かないと良いのですが…
脅威の守備力を見せたキエッリーニ
36歳にして未だトップクラスの実力を誇るキエッリーニ。
この試合でも、ハーフスペースを狙って入ってくる選手をしっかりと止めていました。
空中戦勝利数7回、クリア6回はチームトップの数字です。
延長でケインの突破をノーファウルでクリアしたプレイは凄かったです。
ユーロ2020制覇
インテルのスクデット奪還に加え、ユーロも制覇したバレッラとバストーニにとって、素晴らしい1年となりました。
特にバレッラは、代表でも主力として活躍。バストーニは控えでしたが、この経験を糧にキエッリーニの後釜としての成長に期待しています。
53年ぶりのユーロ制覇とあって、マンチーニは男泣き。代表の主要大会で初タイトルとなった、キエッリーニとボヌッチも喜んでいることでしょう。
怪我で離脱したスピナッツォーラが、表彰台では最初にメダルを受けたようですし、チームの雰囲気の良さを感じます。
ユーロが終わるのは寂しいですが、最高の幕引きとなってよかったです。
こうなったら来年のW杯も期待してしまいますね。
では!