23-24シーズン マッチレポート

【2つ目の星】23-24シーズン セリエA 第33節 ミラン×インテル

2シーズン前に最終節までもつれた結果、スクデット争いに敗れたインテル。

同じ街のライバルであるミランに優勝を持っていかれて、悔しい思いをしました。

今シーズン、その雪辱を晴らす最大のチャンスが訪れます。

第33節、ミランを倒せば優勝が決まるという、絶好のシチュエーションとなりました。

フォーメーション

2つ目の星

  • ミランの奇策
  • バレッラへの対応
  • 圧を受ける中で
  • 2つ目の星

※各データは基本的にFBREFを参照

ミランの奇策

ミラノダービー5連敗中のミランのピオリ監督は、奇策を仕掛けてきました。

1つ目が、中盤であるムサの右サイドハーフ起用です。

これは、守備面を考慮した配置だったと考察します。

ミランは守備時に、5−3−2(5−2−3?)気味のブロックを作って守っていました。

それは、以下のボール非保持時の平均ポジションを見ても分かります。

上が前半、下が後半

※セリエA公式より引用

ここで、5バックの右に入るのがムサでした。

攻撃時は右のサイドハーフですが、守備時は右WBです。

ネガトラ、ポジトラの意識が大事になりますが、その辺りを意識してムサを右に配置したのではないでしょうか。

2つ目が、レオンの配置です。

4−2−3−1のフォーメーションは普段通りですが、ワントップに入ったのがウィンガーのレオンでした。

いつもは前線の起点になれる、ジルーが務めているポジションです。

こちらに関しては、意図が分からず...

レオンは前線の起点になれず、孤立する場面が多くありました。

ミランは攻撃時に3バックになって、左SBのテオを押し上げます。

テオとムサで幅を取り、プリシッチが中のレーンに入りインサイドハーフ化。

アドリがボランチでボールを散らして、ロフタスチーク、ラインデルス、プリシッチでボールを繋ぐ役割をこなしていました。

前半のボール保持時の平均配置

※セリエA公式より引用

この3人が下がってボールを引き出すため、レオンが前線で孤立することが多かったです。

ボールに触れないレオンは左サイドに流れたり、2列目に降りたりして、前線に人がいなくなる状況が生まれていました。

結果的にボールの流れは、サイドに偏ることに。どちらかというと、右サイドのムサにボールが集まりました。

必然、ムサが単騎で仕掛けてクロスを上げる場面が多くなります。

以下の表を見ても、ほぼ右サイドからクロスを上げていたことが分かります。

※セリエA公式より引用

クロスの数を見ても、ムサがトップの7本(2位はレオンの5本)でした。

ムサにどんどん仕掛けさせたかったのかは分かりかねますが、ゲーム内容を鑑みてもピオリの奇策はハマらなかった印象です。

バレッラへの対応

前述の通り、ミランは5−3−2気味の守備ブロックで守っていました。

前半はハイプレスをかけてこずに、ミドルサード付近で守備ブロックを作ることを優先。

つまり、ゾーンでの守備です。

その中で、1人だけマンマーク守備を任されている選手がいました。それがアドリです。

マークの相手はバレッラでした。

昔でいう、ブロゾビッチへのマンマークと同じ対応ですね。

今シーズンのインテルのサッカーにおいて、バレッラは中心的な役割を果たしています。

積極的にボールに寄ってビルドアップの出口になったり、逆サイドに移動して局所的な数的優位を作って崩したり。

この試合のスタッツを見ても、幅広くピッチを動いていたことが分かります。

Sofascoreより引用

ピオリは、そこを潰そうとしてきました。

バレッラの移動に対して、アドリはかなり深追い。しかし、アドリが移動するとそこにスペースが生まれます。

バレッラはオフザボールでもチームに貢献できるので、アドリを引きつけて味方にスペースを作る動きも秀逸でした。

圧を受ける中で

重要なミラノダービーですが、先制点は18分にインテルに生まれましたた。

CKをニアでパヴァールが逸らして、アチェルビが押し込みました。

その後もインテルが多くのチャンスを作り、前半を終えます。

そして後半。

前半はあまりプレスをかけてこなかったミランですが、後半はスタートからプレスを強めてきました

インテルは自陣に釘付けになります。

クリアボールを拾われて、2次攻撃を受ける悪循環に陥りかけていました。

しかし、49分に追加点を取ることに成功。

バストーニのロングボールに抜け出したテュラムが前線でキープ。

ムヒタリアンへのパスはカットされるも、自ら拾い直してカットインからミドルシュート。

グラウンダーのシュートがメニャンを破りました。

ゴール期待値は0.04の、高難度のシュートです。

この追加点は大きかったですね。

同点を目指して勢いに乗ろうとしたミランの、出鼻を挫きました。

その後もインテルは攻撃を受ける展開が続きますが、余裕を持って対応することができました。

2つ目の星

耐える展開が続くインテルですが、79分に失点してしまいます。

クロスボールをレオンが折り返し、ガッビアがヘッド。

ゾマーがビックセーブで防ぐも、トモリに押し込まれました。

しかし、その後は同点弾を許さずインテルが凌ぎ続けます。

すると、イライラを募らせたミランが愚行に走りました。

まず、ファウルを受けたフラッテージに、なぜかアフターチャージをしてきたテオ・エルナンデスが、ドゥンフリースと揉み合いになり2人とも退場。

続けて、CK時にカラブリアがフラッテージの顔面を殴って退場しました。

間接的に、2人を退場させたフラッテージ。

終盤に荒れたものの、最後までインテルが守り切って、3シーズンぶり20回目のスクデット獲得が決まりました。

試合終了のホイッスルが鳴った後、ベンチからメンバーも飛び出して全員で喜びを爆発させていました。

その中で、ピッチにうずくまって涙を流す10番の姿

今シーズンからキャプテンを務めるラウタロです。

2シーズン前は後一歩でスクデットを逃し、昨シーズンはCLファイナルで敗れて、ラウタロは悔し涙を見せていました。

ようやく報われましたね。今度は嬉し涙を見ることができました。

キャプテンとしてのプレッシャーも凄かったことでしょう。お疲れラウタロ。

ハイライト

試合データ

※セリエA公式より引用

次節はトリノ戦(H)

5試合を残して優勝を決めたインテル。

残りは消化試合になりますが、ラウタロの得点王やクリーンシート数など、記録へのチャレンジが残っています。

次節はトリノと対戦します。

2024/4/28(日) 19:30キックオフです。

では!

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